日本最北の私鉄、津軽鉄道とは
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津軽鉄道は、青森県内を走る日本最北の私鉄です。路線距離が20kmあまり、駅数は12駅と小規模ながら、地元では通勤や通学に重宝されています。
津軽鉄道は五所川原市の津軽五所川原駅から北津軽郡中泊町の津軽中里駅までを結ぶ単線で、全線非電化のため、電車は走っていません。ローカル鉄道らしく、夏には津軽金山焼の風鈴に俳句の短冊を下げた風鈴列車が涼やかな音を奏で、秋には鈴虫のかごを車内に置いて虫の音を楽しめます。
冬になると、ダルマストーブで暖をとりながら雪景色を眺めることができるストーブ列車が走り、津軽鉄道ならではの体験ができます。
津軽鉄道で大人気「ストーブ列車」
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津軽鉄道を走るストーブ列車は、昭和5年12月からスタートした歴史ある列車です。
戦時中は一時期、燃料不足のために中止したこともありますが、代を変えて今でも1日2回運行しています。ストーブ列車に乗るときには、ストーブ列車券を別途購入しなければなりませんが、煙突屋根につながった石炭ダルマストーブは非常に珍しく、また、近くに座ると暖かいため真冬でも快適に列車の旅ができます。
旅行客の中にはストーブ列車を目当てにしている人も多く、以前津軽鉄道で廃止の話が出た時にも全国から継続希望の声があがりました。天気の良い日はもちろん、雪景色や吹雪の日でも、どこか懐かしさを感じるストーブ列車の移動は人気があります。
津軽鉄道のラッセル車
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津軽鉄道でも見かけるラッセル車は、毎年積雪量が多い地域でしか見ることができない、貴重な車両です。
日本国内では、旧型のラッセル車として現役で動いているものはわずか3両しかありませんが、そのうちの1両が津軽鉄道で今でも稼働しているのです。雪国では実用的な車両として欠かせませんが、現存する除雪作業中の旧型ラッセル車は鉄道マニアにとっても人気が高く、撮影ツアーなども行われています。
雪が降りしきる中、力強く雪を飛ばしながら走る姿は一見の価値があります。ラッセル車の回送時間は公開されており、その時間には線路沿いに多くのファンが待機しています。
季節ごとに変化のある津軽鉄道の駅弁
津軽鉄道では、季節ごとに内容が異なる駅弁を予約で食べることができます。春の津軽鉄道は、芦野公園を中心に桜が咲き誇り、花見客の利用者が増えます。この時期はさくら弁当が用意されており、さくら色に染まった黒米に地元野菜の煮つけやたけのこを使ったおかずなど、春らしいラインナップになっています。
秋には収穫されたばかりの津軽のお米をおにぎりと季節の炊き込みご飯にして、秋なすやごぼうなどの地元の秋野菜をふんだんに使ったおかずを添えた、いなほ弁当が出ます。冬には竹を編んだ弁当箱に、季節の野菜や地元のイカなどを使ったおかずを詰めたストーブ弁当が登場しています。