和楽器の種類その7「編簓(あみざさら)」
編簓(あみざさら)は、竹の先端を細かく割って編んだものを指し、かつては食器を洗うための道具として使われていました。そのため編簓は、楽器としてだけでなく食器を洗ったり、舞踊の際に身にまとったりと実に様々な用途で使われているのが特徴です。
簓(ささら)の名前の由来は、ささらと鳴る音からきています。またささらという音は、秋の稲穂が風で揺らめいた際の音を表現しています。
かつて編簓は、説教節にも使われていて、ささらを伴奏に使って舞を舞った『ささら乞食』と呼ばれる者までいたほどでありましたが、次第に三味線が伴奏に取り入れられるようになったため編簓は使われなくなっていきました。
しかし、現在でもささら舞と呼ばれる田楽の舞には編簓を使うことが多いようです。
古来より人々を魅了してきた和楽器を知ろう
出店:写真AC
ここまで和楽器をいくつかご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
和楽器の歴史は非常に古いものが多く、中でも和太鼓は縄文時代に、琴(箏)は弥生時代に登場しています。
また和楽器の中には、鳴子や編簓などのように元々は楽器ではなく、鳥から穀物を守るための道具であったり食器を洗う道具であったものであったりしたものが時代の変化に伴い、楽器として取り入れられたものもありました。
さらに、発祥の地もそれぞれ楽器によって違っており、また海外から取り入れられた楽器も次第に変化を遂げていくものもありました。
和楽器は実に多様性があって、そのどれもが魅力的です。なかなか触れる機会がないかもしれませんが、古来より伝わってきた和楽器の持つ魅力をぜひ掘り下げてみてはいかがでしょうか。