名古屋の銘菓、ういろうとは
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愛知県名古屋市は本州の日本海側にある中部地方にあり、現代の日本の工業の中心の街です。
古くは織田信長が本拠地としていたことでも知られている、古くからの伝統ある街で、今も日本経済の中心地の一つです。そんな愛知県には古くから愛され続けている銘菓があります。
それが「ういろう(外郎)」です。米粉と和三盆、黒砂糖を混ぜて蒸し上げたお菓子で上品な甘さがお茶によく合います。
ういろうは名古屋駅や商店街である大須商店街などで売られていて、地元の人に愛されて、名古屋みやげの定番の一つにもなっている和菓子です。名古屋ではういろうは小分けパック以外にも一本まるごとで売られていることも多く、家で切り分けて食べられ、定番のお茶菓子となっています。
ういろうの名前の由来
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ういろうの由来は、ある日本に渡来してきた中国人の薬師に由来しています。
日本が足利家の治める室町幕府の時代、中国から日本に移住してきた礼部員外郎という役職の、薬関係の役人だった陳宗敬は日本で薬を売り始めました。
その息子である宗奇も、せきやたんに効くといいながら薬を売っていると、あるとき足利将軍家の3代将軍である足利義満に招かれて薬を作った時に、作った薬を父の陳宗敬の役職だった外郎にちなみ、ういろうと名付けました。
そして、この陳家が伝えた中国のお菓子も、この薬の「ういろう」によく似て黒く四角に作られていたので「ういろう」と呼ばれるようになりました。
そして、ういろうは古くとも1600年代中頃にはすでに名古屋で作られていたという古い歴を持つものでもあります。
ういろうとようかんの違い
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ういろうは米を挽いて作る米粉を使った甘い和菓子で、蒸し菓子という分類に含まれます。
ういろうは米粉に上等な和菓子用の砂糖である和三盆糖や、黒砂糖を加え、水で練り合わせたあと型枠に詰めてから、せいろで蒸し上げて作ります。その為食感は米粉由来のもっちりとした食感がします。
ようかんはつぶあん、こしあんに、砂糖と寒天を加え、冷やして固めたもので食感はなめらかで、寒天のゼリー状の部分が美味しいお菓子です。
ういろうは米粉を蒸すことで加熱して固めますが、羊羹は寒天の温めると溶けて、冷やすと固まるという性質を利用し、冷やして固めたお菓子です。
ういろうの味の種類
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ういろうには、大きく2種類の味があります。古くから作られている白い色をした和三盆で味付けされた白いういろうと、黒砂糖で味付けされた黒いういろうです。
和三盆は古くから和菓子に使われている砂糖で、精製された白砂糖のため繊細な味がします。また、黒砂糖はサトウキビ由来の砂糖で精製度が低く、複雑な味が楽しめます。
名古屋ういろうは現在も色々なアイデアで新製品が作られていて、抹茶味、桜の花を練り込んだ桜味、柑橘系の柚味、それからマンゴー味なども作られていて、名古屋市内には季節ごとの特別な味を販売している店もあります。
次のページでは、ういろうを買うならおすすめしたお店を紹介します。