神々の国「出雲」の穴場観光スポット④
木綿街道
出典:写真AC
出雲市平田町は宍道湖や船川などの水路に囲まれ、古くから市場町として栄えてきました。 江戸時代から明治時代にかけては上質な平田木綿が盛んに取引され、ますます発展していきました。このころから、船川近辺の新町、片原町、宮ノ町あたりが「木綿街道」と呼ばれるようになっていったのです。
昭和に入ると木綿街道自体は使われなくなりますが、船着場や小路などは当時のまま、現在でも面影を残しています。町中には、黒瓦やなまこ壁、出雲格子、二階建妻入り造りの町家といった、歴史的に価値の高い建築物も並んでいます。 その昔懐かしい景色を眺め歩くだけでも、おすすめの観光地といえます。 醤油蔵や酒蔵、生姜糖などの老舗は現在でもその伝統を受け継いで商売を行っています。
各店舗では「木綿街道探訪帖」と呼ばれるミニツアーが開催され、リーフレットで印を集めると特典がもらえる、といった楽しみも用意されています。 観光の際には「まちなみガイド」を利用すれば、木綿街道の魅力を余すことなく案内してもらえます。
アクセスは、JR出雲市駅から一畑電鉄に乗り換えて「雲州平田駅」まで20分。そこから徒歩で10分ほどです。車の場合は、山陰道宍道I.Cから20分となっています。
公式サイト:http://momen-kaidou.jp/
神々の国「出雲」の穴場観光スポット⑤
猪目洞窟
1948年に猪目町の海岸を船置き場として改修するさいに発見されたのが、猪目洞窟です。
そこでは、弥生時代から古墳時代にかけてと見られる人骨をはじめ、稲籾が入った須恵器などの副葬品、さらに貝の装飾品や獣骨といった、数々の貴重な文化財が発見されました。 歴史的価値から見ても、ぜひ目にしておきたい観光スポットのひとつです。
しかし、猪目洞窟の魅力はそれだけではありません。 じつは、この洞窟は「出雲国風土記」のなかで、「黄泉の坂」や「黄泉の穴」と呼ばれていたとも記されています。
つまり、この世とあの世を結ぶ暗い穴。そのため、夢で洞窟へ行っただけでも、かならず死んでしまうと言い伝えられていました。
現在では、入口に漁船や漁具などが置かれ、そのそばに小さな祠がうかがえます。 奥を覗くと、進めば進むほど通路は狭くなっていき、まったく先を見通せない闇の中。まさに、死後の世界というのも納得できる神秘的な雰囲気を味わうことができます。
ミステリアスな観光スポットとして、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。もちろん、崖の断層や海岸などの景色も美しく、自然を楽しむこともできる場所です。
アクセスは、JR「出雲市駅」から車で40分。バスで行く場合は、一畑バス「出雲大社連絡所」からうさぎ線に乗り換えて「猪目本町」まで25分。そこから、徒歩7分です。入場料などはありません。
神々の国「出雲」の穴場観光スポット⑥
出雲市無形文化財発表会
出雲市には、出雲神楽や獅子舞、盆踊りなどの伝統芸能が数多く残されています。 それらの多くは無形民俗文化財に指定され、伝統芸能保持団体によって未来へ受け継がれるべき貴重な文化遺産として、大切に守られています。
ただし、伝統芸能はそれぞれの地域に根づいているもの。そのため、残念ながら観光でそのすべてを見て回ることはなかなかできません。 そこでぜひおすすめしたいのが、出雲市内で毎年11月下旬から12月上旬に開催される出雲市無形文化財発表会です。
発表会には、各地域に伝えられている伝統芸能がいっせいに集合。一日で、その技をじっくり堪能することができます。 神楽や盆踊り以外にも、かわいらしい子ども神楽の出演があるのも見どころ。また、会場ロビーには、伝統芸能に使用される飾りや紹介パネルなども展示されています。
めったにないチャンスなので、そのタイミングで出雲観光に訪れる際には、ぜひ鑑賞してください。 場所は、大社文化プレイスうらら館やスサノオホールなど、毎年市内の各文化ホールで行われています。
料金は当日券が500円、前売券は400円。中学生以下は無料となっています。
次のページでは、一度に5000個もの陶器を作り上げる窯焚きが魅力の窯を紹介します。