神々の国「出雲」の穴場観光スポット⑦
出西窯
さまざまな歴史や伝統が受け継がれている島根県ですが、実は焼き物の里としてもよく知られる土地です。
なかでも、ヤマタノオロチ伝説が伝わる斐伊川にある出西窯は、美しい瑠璃色の「出西ブルー」と呼ばれるお皿が多くの人気を集めています。
小川沿いにある工房では、その仕事の様子を無料で見学することができます。 出西窯では、粘土から釉薬、薪まであらゆる原料を原料でそろえ、すべての作業を手仕事で行っています。2日間で作られる陶器の数は、じつに5万個以上。それを淡々と作り上げていく職人の姿を、ぜひその目におさめてみてください。
観光のタイミングが合えば、大きな登り窯で実際に焼き上げるところも見られます。一回の窯焚きで5,000個もの陶器ができあがるのは、まさに壮観です。 工房のとなりにある「無自性館」では、つねに数千点ほどの陶器が展示販売されています。
実用品であることを重視した出西窯の器はとてもシンプルで、肌触りなどの心地よさを追求したものとなっています。自由に触れることもできるので、その絶妙な仕上がりを味わってみてください。
田園風景のなかに映える赤瓦の工房や、明治の米蔵を改装して作られた無自性館は、それを見るだけでも観光に訪れる価値があります。
アクセスは、JR「出雲市駅」からタクシーで10分。車で訪れる場合は、山陰自動車道斐川ICから7分となっています。
公式サイト:https://www.shussai.jp/index.html
神々の国「出雲」の穴場観光スポット⑧
彫刻工芸中尾
彫刻工芸中尾は、木工職人の中尾芳山さんの個人工房です。 もともと家具製造会社で働いていた中尾さんは、出雲神楽面作りを頼まれたことをきっかけに、絵や仏像などさまざまな技術を学んでいきました。
そして、木工職人として独立。その後、50年以上にもわたり、家具や茶道具、仏具、看板など、あらゆる木工品を地元で制作販売してきました。そのなかには、出雲大社の神職が使う木笏や、消防団の纏などもふくまれています。 その技術はとても高く評価され、数多くの賞を受けています。
彫刻工芸中尾では、そんな職人の制作現場を見学することができます。 なかでも、中尾さんが多く手がけているのが、地元の神社のお祭りには欠かせない獅子舞の獅子頭です。
島根県ふるさと伝統工芸品の指定も受けていて、お祭り以外でも新築祝いや古希祝いなどの贈答品としても人気となっています。 また、職人になるきっかけとなった神楽面もさまざまなものを制作しています。
伝統芸能というと地味なイメージがあるかもしれませんが、カラフルに彩られた面は迫力満点。ぜひ、観光で訪れた際には間近でその匠の技術に触れてみてください。 工房では見学だけではなく、置物の彫刻体験も行っています。
自分自身で作り上げた彫刻は、観光地での忘れられないお土産となるでしょう。 アクセスは、JR「出雲市駅」から車で5分。見学は無料です。
歴史ある街・出雲を観光
出典:写真AC
出雲には、神社や遺跡、町家など、あらゆる場所に古代からの歴史を見ることができます。
それは壮大な神話だけではなく、伝統芸能や工芸品、さらに衣食住のなかにいたるまで息づいていて、まさに生きた歴史として現代へのつながりを実感させてくれます。
日本人であれば、見たことも訪れたこともないはずなのに、その景色にはどこか懐かしさをおぼえてしまうのではないでしょうか。 そんな郷愁があふれているのが、出雲観光の最大の魅力といえるでしょう。 さまざま観光スポットをめぐりながら、自分自身のルーツに思いを馳せてみるのもまた出雲観光のだいご味の一つではないでしょうか。