百鬼夜行が出没する?「あわわの辻」とは
出典:写真AC
かつての平安京には、百鬼夜行が出没する妖怪ストリートとでもいうべき、百鬼夜行絵巻の舞台となる通りがありました。
それは大内裏の東南角、二条大路と大宮大路が交わる二条大宮の辻で「あわわの辻」と呼ばれた場所です。 あわわの辻は百鬼夜行が出没すると都人から忌まれていて、出食わすと大病を患うか、運が悪ければ死んでしまうと恐れられていました。
このユニークな辻の名称は、「あわわ」と悲鳴をあげて一目散に逃げた様子に因むともいわれます。 また、陰陽師として知られる安倍晴明がまだ幼いころ、師匠の賀茂忠行のお供をしていると百鬼夜行に遭遇し、忠行に知らせたおかげで難を逃れたというエピソードも残っています。
百鬼夜行絵巻は妖怪好きな日本人のルーツ?
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日本人は古くから自然の恵みに感謝し、調和して生活を営んできました。
その中で自然界のあらゆるものに魂が宿ると考えられ、それは畏れの対象でもありました。 やがて江戸時代になると単に畏れるだけではなく、ある種の楽しみにも転化され、芝居や落語、歌舞伎などの怪談としても親しまれるようにもなっていきました。
百鬼夜行絵巻もそのひとつで、恐ろしいだけではなく、どこかユーモラスで愛らしい妖怪たちの姿は、現在においてもマンガやアニメ、お化け屋敷など、妖怪好きな日本人の原点といえるかもしれません。
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