百人一首や古今集にでてくる「ちはやふる かみよもきかず たつたかわ からくれないに みづくくるとは」という歌ですがこの歌は在原業平が二条の妃である藤原高子に向けて詠った恋の歌といわれています。
みなさんは「ちはやふる」の歌に在原業平がどのような思いを込めたかご存知ですか?
何百年も前の歌なのに、現代に生きる私たちも「ちはやふる」を通して、その気持ちを推し量ることができます。「ちはやふる」の言葉の意味、由来、詠まれた歌を解説します。
「ちはやふる」の歌に込められた意味とは?
出典:写真AC
『伊勢物語』の主人公として知られる平安時代きってのプレイボーイであった在原業平。そんな在原業平が詠んだ歌には、百人一首に選定されているあの有名な歌があります。その有名な歌こそ先ほど紹介した「ちはやふる」の歌です。
「ちはやふる」といえば、近年漫画作品がブームになり、映画化もされ話題に事欠きません。そんな人気漫画の題名にもなったちはやふるですが、そもそもこの歌には一体どんな意味が込められていたのでしょうか?
実は、先ほど紹介したちはやふるの歌の意味には2つの説があります。ひとつは、「神々の時代から聞いたことがないほど、竜田川が紅葉でくくり染め上げるさまは美しい」という秋の情景の美しさを詠んだという説です。
そして、もうひとつにその秋の情景に激しい恋心を込めていたという説です。
ちはやふるの歌には激しい恋情が込められている?
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ちはやふるの歌を詠んだ在原業平は阿保親王の5番目の息子で、腹違いの兄弟に同じく歌が百人一首に選定にされている在原行平がいます。
ちなみに在原行平が詠んだ歌は「立ちわかれいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む」です。
さて、前述した「秋の情景に激しい恋心を詠んだ」という説でちはやふるの歌を訳すと「あなたへの燃えさかるような想いが、激しい水の流れを真っ赤にくくり染め上げてしまうほど、今でもあなたを愛しています」となります。
この歌には、このような激しい恋心を込めたという風にも捉えることが出来るのです。