新しいものを取り入れる伝統工芸品の現在の姿
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伝統工芸品は、古くから受け継がれる歴史的手法で手作りされる手工芸品であることが前提ですが、現代的なセンスを活かしたモダンなデザインを取り入れることも可能です。
今から400年前に仏具の製作を目的に始まった「高岡銅器(たかおかどうき)」は現在、伝統工芸品に指定される歴史的な手工芸です。 株式会社能作(のうさく)は1916年の創業から100年以上伝統的手工芸である、従来の仏具の制作を行っています。
現代表の能作克治氏は、伝統的な技法を守り続けながらも、近年はテーブルウェアやインテリア雑貨、アクセサリー類、照明器具や建築金物なども手掛けています。
伝統的なデザインとモダンなデザインが融合し、熟練した匠たちの手で1つ1つ作り上げられる銅や錫の製品は多くのファンを掴み、全国に11の直営店を抱える企業に成長してます。
伝統工芸の危機!職人の後継者不足に悩む今
現在、伝統工芸品業界は後継者不足に頭を痛めています。 匠といわれる熟練した職人の高齢化が進むのに対し、新たに伝統工芸品の制作に携わろうと考える若年層が圧倒的に不足しているのです。
伝統工芸士の資格試験を通過するためには高い技術力が求められ、さらに伝統工芸士の有資格者となっても修行が続きます。
インスタントに技術が身に付かない業種であることが原因で、伝統工芸品産業への就業に対し抵抗感を感じてしまう若年層が多いのではないかと考えられます。
継承すべき日本の伝統工芸品とその技術
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日本国内に受け継がれる手工芸の完成度は非常に高く、芸術品と言っても過言ではありません。 たしかに技術を身に付けるのには、長い修行の期間が必要なことは事実です。
長い修行期間を経て職人から進化した匠の手が作りだす作品は、世界的な評価も高いものばかりです。
日本が「ものづくりの国」として名を馳せることができた下地には、このような伝統工芸品を生み出し続ける手工芸品の達人達が数多く存在したからだと言えるでしょう。
リーズナブルな工業製品も悪くはないですが、匠たちの手で作り出された伝統工芸品には価格以上の価値が内在しているといえます。
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