【そうだ、農業しよう】農業の気になる年収事情を徹底解説

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雇用の不安定化と多様化が続く中で、どんな仕事にも「安定」が求めにくくなっています。そんな中、サラリーマンになって普通に働くのではなく「就農」する、つまり農家になろうとする若者が増えてきているといわれています。

農家って儲からないんじゃないの?実際どれくらい稼いでるの?そんな疑問を解消すべく、農業の収入事情を解説します。

そもそも農家の年収の前に、農家について知りたい方は下記の記事からご覧ください。

農家になるには

農業の平均年収


出典:写真AC

古くから農耕文化を持つ日本は、長い間農業従事者が国民の大半を占めていました。 しかし、第2次世界大戦後の高度経済成長期を契機に、農業従事者の数は減少し始めます。 これは「農業では安定した収入を得ることが難しい」という側面が大きく影響していたと考えられます。

現在、若い年齢層の中で「農業経営」が注目を集めています。 農家の出身ではない若者が、一般企業に就職することなく農業に従事することを選択し始めているのです。 この背景には「効率的に農業経営を行えば大きな収入を得ることが可能である」という、従来の意識に囚われない新しい切り口から農業と向き合う若者が増えていることがあるでしょう。

実際に農林水産省が行った「農業経営統計調査」では、平成24~28年の専業、兼業、副業を含めた農家の平均収入は次のとおりとなっています。

平成24年:476万円

平成25年:473万円

平成26年:456万円

平成27年:496万円

平成28年:521万円

25年度と26年度に若干の落ち込みが認められますが、28年度には遂に500万円を突破するほどの成長業界だといえます。「農業は儲からない」というのは案外過去のことかもしれませんね。

農作物別の収入


出典:写真AC

一口に農業経営と言っても、当然「何をどの位の作付面積で作るのか?」によって収入は異なります。 農業経営統計調査によれば、収入面で最も不利となるのが私たち日本人の主食である「お米」を作る水田作で、水田作から得られる収入は平均60万円前後です。

しかし、これは作付面積や品種によって大きく変化し、時には約490万円を稼ぎ出す大規模な米農家も存在します。 高収入が得られることで知られていた果樹作で200万円前後、花き作が300万円前後、野菜作は260万円前後です。 さらに、農業経営では耕作地面積や立地を考慮しながら水田作、野菜作、花き作を複数織り交ぜながら経営しますので、上記の全ての作付けに成功すれば820万円前後の収入となります。

また、「レタス長者」の村として知られるレタスの生産地、長野県川上村は平均年収2,500万円を稼ぎ続ける奇跡の村としても有名ですね。 農作物のみに頼らない多角経営として酪農や採卵養鶏、ブロイラー養鶏などを手がける農家も少なくありません。

こちらの場合、酪農が700万円前後、採卵養鶏は400万円前後、ブロイラー養鶏では600万円前後の収入を見込めるようです。

気候と収入の関係


出典:写真AC

農業を含む第一次産業は自然が相手の仕事となります。 旱魃や多雨、猛暑や厳寒、台風などの影響を非常に強く受けます。

現代農業に欠かすことのできないビニールハウスは、高額な農産物を作り出すことができる反面、風に吹かれて壊れたり、雪の重さで潰れてしまうこともあります。 こうなってしまうとビニールハウス内の農作物に被害がでてしまい、収入が半減する可能性もあるでしょう。

また、ビニールハウスの修繕に100万円単位の出費が発生することもあります。 これはビニールハウスだけに限ったことではなく、農業全般に当てはまることなのです。 場合によっては政府の救済措置の適応を受けたり、JA組合員であれば農業共済からの支援を受けられることもありますが、やはり農業は「自然との闘い」でもあることは間違いありません。

農業経営体制の違いと農業収入の関係

現在、農業経営は家族で農作業を行う従来型の個人農家と、雇用した労働力や複数の個人農家が協力し農作業を行う農業法人の2つに大別される形で行われています。 少数精鋭で運営する個人農家と、人数のメリットを生かし広い耕作面積で運営する農業法人では、一般的には農業法人の方が売り上げが高い傾向にあるようです。

従来型の個人農業は給与制を採用していない場合もありますが、家族内であっても給与制を取り入れる個人農家が年々増加しています。 企業型経営を行う農業法人は従事する職種が農業であること以外、一般的な零細・中小企業で働くのと変わらない雇用体系を取っています。

平均月収は約22万円(年収264万円)で、ボーナスは残念ながら設定していない農業法人が多い傾向にあります。 既述したレタス農家では収穫に追われる約半年の農繁期には臨時の収穫作業員を雇用し対応しています。 熟練作業員の仲には3ヵ月半で120万円程度稼ぎ出す人も存在します。

耕地面積と収入の関係


出典:写真AC

一般的に米農家の場合、作付面積1アール(100平方メートル、10メートル四方)あたりの農業所得が平均18,000円と言われています。 既述の米農家の年収約490万円は、農家一戸あたりの平均経営耕作面積である274アールにこの数値を掛け合わせて算出されています。

さらに、人気の高いブランド米を生産農家の顔がわかる生産者直送で販売するなどしてブランド化に成功すれば、単価を上げることが可能です。 しかし単純に収入を増やすためには、作付面積を広げるのが最も簡単です。

上川村のレタス農家でも大規模に栽培を行っている農家はそのぶん年収が高く、設備投資も積極的に行っています。 また果物農家でも栽培している果物の中で高単価な果物への転作を行い、より広い面積で高単価な果物を栽培する努力を行っています。

年代別農業収入


出典:写真AC

給与制を採用していない一般的な個人農家の場合、年代別の農業収入にあまり変化は見られないと言えるでしょう。一方給与制を採用する農業法人では、年齢によって給与に変化が見られます。 以下は米作を行う農業法人の給与体系の一例になります。

・20代前半:年収約270万円

・20代後半:年収約280万円

・30代前半:年収約320万円

・30代後半:年収約330万円

40代前半:年収約370万円

・40代後半:年収約415万円

・50代前半:年収約445万円

・50代後半:年収約440万円

・60代前半:年収約300万円

年収は経験を積むほどに上昇し、50代前半をピークにして、体力が低下すると言われている年代に入ると下降します。 農業法人によっては、さらに年間4ヶ月程度のボーナス支給がある場合もあるので、就農を希望する人は農業法人のリサーチをしっかりと行うべきでしょう。

兼業農家の収入

個人農家でも家族(世帯員)のうち1人以上が農業以外の仕事に従事している農家を兼業農家と呼びます。主な収入源が農業にある場合は第一種兼業農家、他の仕事にある場合は第二種兼業農家と分けられます。兼業農家の収入は農業以外の収入次第で変わってきますから、一口に兼業農家としての年収を算出することはできません。

しかしこれから就農しようと考えている方のために、兼業農家のための補助金制度を紹介しましょう。 政府は就農準備段階の補助金制度として「青年就農給付金」を設け、農業経営者育成教育のレベルアップのための助成を行っています。

最高年間150万円を最長2年間給付するというもので、先進農家や農業法人での研修期間中の所得の確保が目的とされます。 経営開始型というものもあり、就農5年以内の所得を確保するために最大年間150万円を給付します。 他にも様々な補助金制度が存在しますが、自分で申請する必要があります。 就農の際には経済産業省の公式サイトや、市区町村の助成金や補助金も確認することをおすすめします。

サラリーマンと比べて収入はどうか


出典:写真AC

従来の農業に対するネガティブなイメージは「現金収入が見込めない」という印象に起因しているといえます。 しかし、現実的には農業は「やり方次第では稼げるビジネス」だといえます。

雇用の不安定化が続く中、「安定した収入を得られるサラリーマン」は今や見る影も無いといっても過言ではないほど過酷な環境に晒されています。 昇進や昇給が現実的でないと諦めてしまっているサラリーマンも少なくないでしょう。

平成28年には平均年収が500万円を突破した農業は今や成長著しい「花形産業」になりつつあるのではないでしょうか。 また農業法人に就農した場合も、既述した年代別の収入は一般的な給与レベルと比較して悪いものではないといえるでしょう。 ボーナスが支給される農業法人に就農した場合は高額所得者になるのも夢ではありません。

収入保険制度について


出典:写真AC

農業従事者の経営努力では避けることができない「自然災害」や「農作物の価格の下落」などで減少した収入の減少分の一部を補償するのが「収入保険制度」です。 収入保険制度の創設を規定した農業保険法(改正農業災害補償法)が成立したことで、平成30年10月より加入申請の受付が始まり、平成31年1月より保険期間がスタートします。

補償の対象は基本的に農産物ならどのような品目でも対象となります。 農林水産省の発表では、保険料率は1%程度で、収入保険に加入していれば農家ごとの平均収入の8割以上の収入が確保されます。

農業は自然環境に大きく影響を受ける上に、マーケットでの農産物の値動きが直接収入に影響します。 将来的に不足することが予想される食糧の問題の解決法として、日本の食料自給率を引き上げることが急がれています。 収入保険制度の導入は就農希望者にとって、不安材料を打ち消す強い追い風になるのではないでしょうか。

農業をするメリット

戦後の高度経済成長期には全国の農村部から、多くの若者が集団就職で職を得ました。 サラリーマンが時代の花形として持て囃された時代で、多くの離農者が発生しました。

現在、農業はビジネスチャンスを掴める新たなフィールドとして再評価され始めています。 自然と共に生きたいという若者の願望が、就農への後押しをしていると考えられます。 食料を生産する農業は非常に歴史ある産業であり、有望といえます。

自分の作った農作物をブランディングすることで、大きな収入も期待できる環境が整いつつあります。 行政の後押しも決まった現在、就農には明るい未来が開けたと言えるでしょう。

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