世の中には、わたしたちの思っている以上にさまざまな職業があふれています。その数は、なんと約17,000種類(厚生労働省編職業分類2011年改訂版より)。 それだけの数があれば、あまり一般には知られていないような特殊な職業も数多く存在しています。「本当に、こんな仕事あるの…?」と思ってしまうような知名度が低い職業でも、需要があるから仕事が存在するのです。
そこで今回は、その中から「ひよこ鑑定士」という仕事にスポットを当て、解説していきます。
ひよこ鑑定士とは?
ひよこ鑑定士とは、正式名称ではありません。職業としての正式名称は「初生雛鑑別師」と言います。なんだか難しそうに聞こえますが、ニワトリのヒナの雌雄鑑別をする仕事のことなんです!
ひよこ鑑定士とは
出典:写真AC
ひよこのオスとメスを判別するのは、実はとても難しいんです。知識だけでなく、経験を積まなければ資格を得られません。なりたいと思って簡単になれる職業ではないんですよ。
正確さとスピードが求められるひよこ鑑定士は、まさにプロフェッショナル。難しい上に需要があるので、国からの資格を与えられているこの職業は、難しい上に需要があります。
なぜ性別を判定する必要があるの?
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「ニワトリなんて成長すればオスかメスか区別がつくし、わざわざ鑑定しなくてもいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、ニワトリはオスとメスで目的別のエサを与える必要があります。そのため、できるだけ早い段階でオスかメスかを判別し、それぞれに適した飼育をすることが、より効率のよい飼育に繋がるんです。そのため、初生雛鑑別師は、養鶏産業にとっては欠かせない重要な職業だと言えるでしょう。
ひよこ鑑定士の仕事内容
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ひよこ鑑定士の主な仕事は、ニワトリのヒナの雌雄を見極めること。卵をふ化させる「ふ化場」で、ケースに入ったひよこのオス・メスをひたすら鑑別していきます。
ひよこのオス・メスの見分け方には、何種類かの方法があります。例えば、体の色の違いによって鑑定する方法。ひよこの背中に入っているラインが、オスは3本メスは2本と違いがあることから区別する鑑別方法です。しかし、現在この方法はあまり主流として利用されていません。現在、鑑別の主流になっているのは、羽毛鑑別と肛門鑑別の2つがあります。
羽毛鑑別は、独自の交配法によって羽の伸びるスピードがオスとメスで違うことを利用した雄雌鑑別法です。主に商用として大量生産されたひよこには、この方法が適用されます。
肛門鑑別は、日本で開発された非常に高度な技術。ひよこの排泄口を見ることで、メスとオスを区別していきます。この方法がいちばん多く利用されています。