ひよこ鑑定士の年収・給料
どちらかと言えばマイナーな仕事に分類されるひよこ鑑定士の就職先は、それほど多くはありません。しかし、ひよこ鑑定士にも高齢化が進んでいる実情があり、今若い鑑定士が求められています。
給料は歩合制のケースが多く、1羽単位で4円から5円、年収でいえば500万円から600万円が相場です。収入的には比較的高い職業と言えるでしょう。歩合制なので速度と精度を上げられれば、1時間で1,000羽程度見分けることも可能になるため、かなりの高収入が望めます。
ただし、シーズンによって鑑別数や依頼数が増減するため、それにより収入も変動してしまいます。また、仕事場は日本国内に限らず、欧州をはじめとした海外での需要が高い傾向も。
勤務時間は、平均して1日に7時間ほどです。ただし繁忙期によっては、1日12時間の長時間勤務もありえます。一例を挙げると、月7日の勤務で月収20万円というケースも。勤務形態・雇用条件・福利厚生は、契約している養鶏場や会社によって異なります。この辺りはほかの職業と同様ですね。
海外でも働きやすいって本当?
出典:写真AC
実は、ひよこ鑑定士の需要は国内よりも海外の方が高いのです。
日本では、大正時代に鑑別法が発見されて以来、現在にいたるまで高い技術を持つひよこ鑑定士を産出しています。しかし、海外には高度な技術が確立されておらず、とくにヨーロッパではひよこ鑑定士がつねに不足した状態にあるのだとか。そのため、「海外で働きたいからひよこ鑑定士になる」と考える若者も意外といるんですよ。
海外で働くことを考えた場合、普通はなかなか就労ビザを発行してもらうことが難しいもの。しかし、海外ではひよこ鑑定士がつねに不足しているので、食肉産業などが積極的にビザサポートをしてくれる体制が整っています。「正式な就労ビザを手に入れて海外で働き、オフシーズンにはヨーロッパ観光旅行を満喫する」といった生活も夢ではありませんね。
ひよこ鑑定士になるには
ひよこ鑑定士になるには、まず初生雛鑑別師養成所に入所する必要があります。初生雛鑑別師養成所は、ひよこ鑑定士になるための日本でたった一つの機関。
入所試験があるのは毎年2月です。初生雛鑑別師養成所の入所試験に合格したら、5カ月間の勉強、2カ月間の特別研修科を受講します。しかし、これだけでは資格を得ることはできません。
ひよこ鑑定士になるための資格・難易度
出典:写真AC
初等科修了後は、鑑別研修生としてふ化場で1〜2年ほど実務を積むことになります。その後、公益社団法人畜産技術協会の予備試験と高等考査に合格することで、やっと初生雛鑑別師資格が取得できます。資格取得後は、大規模なふ化場などに就職するのが一般的なルート。
養成所の試験条件は、「満25歳以下」「高校卒業程度の学歴がある」「視力1,0以上(矯正可)」の3項目が必須。養成所の入所試験自体は、それほど難しいわけではありません。
しかし、入所後の費用は100万円以上かかり、訓練が非常に厳しいことから、せっかく入所しても中退してしまう人が多いのだとか。入所者の中から鑑定士の資格を取得する人は、実際には約半数だと言われています。