版画家の仕事を紹介|気になる年収や適性、版画家になる方法も

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版画と聞いて、昔、美術の授業でしたことを思い出す人も多いのではないでしょうか。

日本には、自らが制作した版画の作品を売って生活する版画家という職業があります。

版画は木や石、金属といった基盤となる版材を加工し、凹凸による絵を作り、それに塗料を塗り、紙に押し付けるといった作業によって絵や作品を生み出します。

1300年代後半から、キリスト教に関する記述を印刷する目的で、木を版材にした版画が用いられ始めました。

その後、文字だけでなく絵の版画も作られるようになり、活版印刷も誕生。版画による本の印刷などが本格的に始まりました。

今回はそんな歴史のある版画を生業にする版画家の仕事を紹介します。

版画には技法が4つ存在する?版画家の仕事を紹介


出典:写真AC

自分で版画のデザインを考える場合と、デザインを考案する人と共同で行う場合があります。いずれも版画家は版材を彫るなどして絵画の元となる版を作ります

凸版画、凹版画、平版画、孔版画といった大きく分けて四つの技法が存在し、それぞれは版材の種類や加工方法、写し取り方などに差があります。

気になる版画家の年収とは?

多くの人が副業や兼業として版画家を営んでおり、版画だけで生計を立てている人は極めて少なくなっています。版画一つ一つが評価され、その出来によって価値が付くので、高額の臨時収入を得られることがある一方、安定して収入を確保するのは基本的に困難です。

版画一つは一般的に数万円から数十万円の値が付き、版画のサイズが大きくなるほど値段とそれにかかる労力も比例して大きくなります。

版画家には福利厚生がないので、福利厚生などは、完全に版画以外に行っている仕事に依存します。

版画家になるメリットとデメリットとは?


出典:写真AC

自分の作品に値段がつき、評価してもらえるというのが版画家も含め、美術制作を作る仕事に共通するメリットです。

作品の良さが認められ有名になれば、個展を開くようなことも夢ではありません。また、時間に拘束されず自由なタイミングで作業できるのも版画家の良い点です。

版画家のデメリットとしては、それだけで生計を立てるのは極めて難しいという点が挙げられます。

1つに数万円の値段がつくのだから1年に100作品ほど作れば安定収入になるのでは、と思われるかもしれませんが、完成度や作品としての質が低ければ、そもそも1円の値段もつかない場合も当然あるのです。

1つ1つを丁寧に制作することが求められるため、数は必然的に少なくなり、それだけで生活費を賄うのは困難になります。

コツコツ地道な努力ができる人は版画家に向いているかも?

時間をかけて作品を作り上げるのが好きな人、自分の作品を積極的に売り込める人、他の仕事をやりながらでもコツコツと版画作りを続けられるような人が、版画家に向いている人です。

逆に、1つ1つ丁寧に製作することを求められるため、作品を作る楽しさよりも、自分の作品が認められ有名になることを目的とする人は、版画家は向いているとは言えません。

版画家の将来性はあるの?


出典:写真AC

芸術作品は、経済や世の中の流行などにより需要や価値が大きく変化します。

今後景気が良くなり芸術ブームなどが起きれば、版画家は非常に将来有望な職業となりますし、不景気が続き芸術人気も低迷したならば、版画家は将来性の無い仕事となってしまいます。

版画家に資格は必要?版画家になるには?

美術に関する基礎を、学校へ行くか独学で学ぶかして身につけることができれば、版画家になるための資格などは不要です。

その資格の代わりとしては、展覧会に出展し、賞に入選することが、一人の版画家として周囲から認められることにつながります。

また、版画家には師匠と弟子のような関係もほとんど見られません。

版画家は厳しくも魅力ある仕事

版画家は観察力やデッサン力といった芸術に関する能力、丁寧に作品を作りあげる忍耐力が必要です。また、それを自分で売り込むコミュニケーション能力なども必要となってきます。

しかし、自分で芸術作品を作り出すことができ、作品を大勢の人に見てもらうことができます。そして、その価値を認められれば高い値段で買ってもらうことができます。

自分の頭の中に描くものを版画で表現し、周りから認められれば、それに勝る達成感はないでしょう。そんな達成感を味わえる仕事は、他にはなかなかありません。

版画のことを本当に好きな人にとって版画家は、とても魅力のある仕事と言えるでしょう。

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