京扇子と江戸扇子の違いとは?|扇子の種類・扇子の起源・制作工程

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江戸扇子とは?

・江戸扇子について

江戸扇子は東京で作られている扇子を指します。京都で生まれた扇子作りが江戸に渡り、現代まで独自に発展し受け継がれてきました。

江戸扇子の特徴

江戸扇子の特徴は、扇骨の数が1415本と少なく、しっかりとした扇骨に折り幅が広いのが特徴的です。骨太なその形状やデザインからは男性的な印象を受けます。

また、図柄も京扇子ほど華やかなものは多くないですが、その分シンプルかつ落ち着いていて味のある扇子となっています。

・江戸扇子は全て「一貫生産」

江戸扇子の製作は絵付けや扇骨作りを除いて全て1人の職人によって行われています。最初から最後まで同じ職人が手がけるので、大量生産が難しくその分価値も高いです。

新しい人材を育てようとすると全ての技術を注ぎ込む必要があり、一人前になるまでには長い修行が必要となります。そのため、今も活躍している江戸扇子職人は年々数が少なくなってきているのが現状です。

しかし、全ての工程を1人で担うからこそ職人のこだわりが一貫して表れる点が京扇子には無い魅力であり、同時に江戸扇子職人の魅力ともいえます。

・江戸扇子の製作工程

扇面加工、折り作業、仕上げを全て一貫して行います。扇面加工では紙を裁断し、貼り合わせます。その紙に色や図柄が施された後、扇骨を差し込む穴を広げます。それから紙に折り目をつけ、形を整え、息を吹き込んで穴を広げ、扇骨を差し込んでいきます。そしてここからしっかりと癖をつけてさらに形を整え、閉じた時にパチンと合う扇子を仕上げていきます。

これら1つ1つの作業には相当な技術が必要となってくるため、江戸扇子職人に求められる技術の量は大変多いです。しかし、だからこそファンも多く、そんな職人に憧れて大変な修行期間を経て技術を受け継いできた人たちもいるのです。

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