京扇子と江戸扇子の違いとは?|扇子の種類・扇子の起源・制作工程

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夏場に活躍する扇子。扇ぐことで暑さをしのぎますが、扇子はその他にも日本舞踊や能、狂言などの伝統芸能で用いられたり結婚式や儀礼などの際にも用いられます。

また、扇子の歴史は古く、1200年前の平安時代にまで遡ります。今回は扇子の歴史や種類などをご紹介します。

扇子とは?


出典:写真AC

扇子は扇いで涼を取る役割と装飾品としての役割があります。平安時代の中ごろに5本ほどの骨に紙を貼ったもので扇ぐ扇子が生まれました。それ以前は、扇ぐものではなく扇子に歌や用事など物を書きつけるためのものでありました。

平安時代には貴族の正装の小道具として扇子が必需品でした。茶道や能、日本舞踊でも同様に重要な道具として扇子が用いられ、現在では主に和服においての冠婚葬祭には儀礼専用の扇子が1年を通して活躍します。

扇子はいつ作られたの?


出典:写真AC

昔は紙が非常に貴重なものであったため、木の板に書いていました。そして、宮中では30センチほどの長さに2~3センチの幅の檜(ひのき)の板を重ねて作られた木製の扇に儀式次第の覚書やメモ書きなどを書きつけた檜扇(ひおうぎ)と呼ばれるものが最初の扇子といわれています。

この檜扇(ひおうぎ)は、木簡を束ねて一方の端に穴を開け、そこに紐を通して縛ったもので後に冬の季節に用いるものとされました。

その後、平安時代の中ごろに現在の扇子の原型である蝙蝠扇(かわほりせん)という扇子が登場します。この扇子は、表側だけに紙が貼られ裏は骨が露出した状態でした。

平安時代には扇子は扇ぐ用途だけでなく、和歌を書いて贈ったり、扇子に絵を描いて贈ったりされていました。後には様々な儀礼の道具として使われるようになりました。そして、貴族だけでなく一般庶民にも普及し、日常や冠婚葬祭で使われるようになりました。

鎌倉時代には中国やヨーロッパなどに扇子が伝わり、中国で両面貼りとなった扇子が日本に逆輸入され今の扇子ができました。

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