お箸の正しい取り上げ方をチェック
出典:ウィキメディアコモンズ
和食のマナーでは、箸の持ち方だけではなく、取り上げるときの所作にも気をつけなければいけません。 基本的な取り方は、次のような手順となります。
① | 箸の中ほどを右手でつまむ。 |
---|---|
② | 胸のあたりまで持ち上げ、下側に左手を添える。 |
③ | 右手を箸頭に向けてすべらせ、下側に移動させる。 |
④ | 親指と人差し指の間に箸をおさめたら、左手を離す。 |
このように、箸を取り上げるときは基本的に両手を用います。
ただし、お椀や小鉢などの器があるときは、以下のように片手で取り上げることもあります。
① | 器を両手で持ち上げる。 |
② | 左手で器を持ち、右手で箸を取り上げる。 |
③ | その箸を、器を持った手の人差し指と中指の間にはさむ。 |
④ | 右手を箸頭に向けてすべらせ、下側に移動させて箸を持つ。 |
なるべく落ち着いて、自然な流れで行うようにしましょう。
また、箸を置くときには取り上げるときと逆の流れで行います。
① | 左手を箸の下側に添える。 |
② | 右手を箸頭に向けて滑らせ、上側に移動させる。 |
③ | 中ほどをつまんで、左手を離す。 |
④ | 丁寧に箸をそろえて置く。 |
お箸の正しい使い方【食事編】
箸の正しい持ち方をおぼえたら、次は食事での使い方も身につけるようにしましょう。
箸は、基本的にできるだけ汚さずに使うのがよいとされています。「箸先五分、長くて一寸」といわれるように、使う範囲はだいたい箸先から3〜4.5cm程度にしておきましょう。 きれいな箸の使い方を意識すると、口元へ食べ物を運ぶ所作も自然と美しいものになっていくはずです。
また、食事中に箸を休めるときには、かならず箸置きの上に置くようにしてください。お皿やお椀の上などに置くのは、マナー違反です。 箸置きがない場合は、箸袋の上にそのまま置くか、あるいは「結び文折り」や「千代結び」にして箸置き代わりにすると、いっそう見栄えがよくなります。
折敷を用いているときは、箸先を左縁にかけて置きます。 食事が済んだら、箸は箸置きに戻しましょう。箸袋や懐紙があれば、それで箸先を包んで隠しておくのもよい心遣いとなります。
割り箸の正しい使い方を確認しよう
出典:ウィキメディアコモンズ
外出先では、割り箸を使う機会も多くなります。同席する人に失礼とならないように、割り箸の正しい使い方も身につけておきましょう。
割り箸の使い方でポイントとなるのは、割り方です。 割り箸を割るときは、食卓から手前の膝の上あたりで行います。これは、勢いあまって割り箸を食器などにぶつけないようにする配慮です。
そのまま、割り箸を横向きに左手でしっかり持ち、静かに上下に割ります。 割り箸を縦向きに割ったり、口でくわえて勢いよく割ったりする、という人も多いと思いますが、いずれもマナー違反なので、公の場では注意するようにしてください。
また、割り箸を割ったあとでこすり合わせるのも厳禁です。ささくれや木くずが気になる場合は、手で取りのぞくようにしましょう。
食べ終わったあとは、汚れた箸先が見えないように箸袋に戻しておきます。ただし、使ったものだと分かるように、紙袋の先は二つ折りにしておきましょう。
和食・食器の関連記事
【食卓に色を添える和食器】日本を代表する和食器を6つ紹介
和包丁と洋包丁の違いは?|和包丁の種類や覚えておきたい手入れ方法
料理の基本さしすせそとは?|特徴や順番の理由、酒とみりんも紹介