「日用品」あるいは「什器(じゅうき)」という言葉を聞いたときに、なかには「食器」を想像する方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのなかでも日本の伝統食器、いわゆる「和食器」は昔から日本人の食卓で馴染み深く使われてきました。
また、和食器は日用品としてだけでなく、芸術品としての側面も併せ持っています。食器というと陶器を想像される方が多いかもしれませんが、磁器や漆器の和食器もあります。焼き方や塗り方、仕上げ方により、その形は様々です。
最近は、敢えて和食器にイタリアンや中華の料理を盛り付けてSNSに投稿する方も増えていますよね。
今回は、そんな和食器のなかでも、日本を代表するものを6つ紹介していきます。
和食器その1「益子焼(ましこやき)」
江戸時代から使われてきた日用品
出典:写真AC
益子焼とは、栃木県益子町が産地である和食器の一つです。古くは江戸時代から制作されたといわれている陶器であり、土の質感が強く鉢など日用品として活躍の機会が多い陶器です。
しかし、それは以前までの話であり、現在は高級陶器としての側面を強めるために100年近く芸術性が高められてきました。益子焼に関わる著名人としては、濱田庄司や島岡達三などが挙げられます。
どちらも故人ではありますが、益子焼のブランド普及に大きく寄与した人物であり、芸術としての益子焼の歴史に欠かせない人物なのです。陶器の特徴としては、その製造方法から重たく割れやすい性質を持っており、その点から慎重に扱う必要があります。
栃木県益子町にある「益子焼窯元共販センター」では、益子焼の和食器が購入できることはもちろん、実際に益子焼を制作できる体験もあります。ほかにも、益子焼陶芸作家の作品展示が行われたりイベントも開催されています。
「益子焼窯元共販センター」基本情報
住所 | 〒321-4217栃木県芳賀郡益子町大字益子706-2 |
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アクセス | 「笠間駅」「宇都宮駅」よりバスで1時間 |
電話番号 | 0285-72-4444 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 年中無休 |
サイトHP | http://www.mashikoyakikyouhan.jp/ |
体験情報
体験内容 | 体験費用 | |
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手びねり体験 | 1600円 | |
絵付け体験 | 450円~1200円 | |
ロクロ体験 | 1時間コース | 1600円 |
2時間コース | 2200円 |
和食器その2「萩焼(はぎやき)」
日本を代表する焼き物
出典:写真AC
その名の通り山口県萩市で製造されていた和食器が萩焼です。
こちらは毛利氏の時代から製造されていた歴史を持ち、数々の歴史と縁ある萩市との切っても切れない関係であることは間違いありません。
国内からの評価は高く、代表的な和食器であると同時に人間国宝や名のある陶芸家を生み出してきた陶器でもあります。
また、主に茶器として有名な萩焼ですが、使い込むほどに茶器ごとの色味が生まれて味のある見た目になると有名でした。この点も茶器として高い人気を誇っていた理由の一つであり、いわゆる萩の七化けと呼ばれる言葉はここから生まれています。
近年では陶芸家の創造性により様々な萩焼も生まれていることから、和食器を代表とすることは間違いありません。
山口県萩市にある「萩焼窯元 元萩窯(げんしゅうがま)」では、萩焼を制作できる体験があります。こちらは、築100年以上の古民家を改築しており、様々な萩焼作品に触れることができます。
「萩焼窯元 元萩窯(げんしゅうがま)」基本情報
住所 | 山口県萩市川島14 |
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アクセス | 東萩駅から徒歩で25分 |
電話番号 | 0838-25-0842 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 不定休 |
サイトHP | http://www.hagishi.com/search/detail.php?d=700036 |
体験情報
体験内容 | 体験費用 | 体験時間 |
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手びねり体験 | 2000円~ | 約30分 |
ろくろ体験 |
和食器その3「波佐見焼(はさみやき)」
国内で広く普及している器
photo by ゆさ みずあ
長崎が発祥地の波佐見焼は、慶長3年(西暦1598年)に始まった陶磁器といわれています。
もともとは朝鮮陶工から伝わってきた陶磁器ですが、これを由来とし波佐見焼が製造されていた付近では現代でも食器、和食器製造が盛んな地域とされています。
波佐見焼の特徴としては、高級志向というよりも大衆志向の傾向が強く、窯も巨大なものが使われていたといわれています。この事から、波佐見焼とは知らずに普段使いの食器として家庭で使われている可能性もあり得るでしょう。
当初に限り青磁が使われていましたが、現在では白磁が主流となっている点も特徴的です。そのため、波佐見焼の特徴としては全体的に明るい色味が多く、この点も家庭で使いやすい大衆向けの特徴といえるでしょう。
長崎県波佐見町にある「くらわん館」では、波佐見焼の作品を購入できることはもちろん、波佐見焼の制作を体験することができます。
「くらわん館」基本情報
住所 | 長崎県東彼杵郡波佐見町井石郷2255-2 |
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アクセス | 波佐見・有田インターから車で5分・嬉野インターから車で15分 |
電話番号 | 0956-26-7162 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 12/31~1/2 |
サイトHP | http://kurawankashop.sakura.ne.jp/index.html |
体験情報
体験内容 | 体験費用 | 体験時間 |
---|---|---|
絵付け体験 | 850円~ | 30分~45分 |
ロクロ体験 | 3,800円 | 45分~60分 |
手びねり体験 | 2,500円 |