増上寺をより楽しく!アクセス・見どころ・おすすめポイント

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阿弥陀如来が祀られた大殿と三解大脱門の距離の謎


出典:ウィキメディアコモンズ

ご本尊の阿弥陀如来像が祀られている大殿は、三解脱門から約78メートル、48間の距離にあります。これは、阿弥陀仏が仏に成るための修行を行なう際に立てた48の願いである「四十八願」にちなんでいます。

三解脱門で煩悩を解脱し、西方極楽浄土を示す西側に位置している大殿の阿弥陀如来像に向かい参道を進んで行くというように、増上寺は、境内全体で、穢土(現世)から極楽浄土に至る世界を表しています。その世界観を感じながら大殿への道をたどってみましょう。

戦後に再建された大殿は地上3階、地下2階建て。地下には「増上寺宝物展示室」があります。

100年ぶりに日本に舞い戻った増上寺宝物展示室

大殿の地下1階の「増上寺宝物展示室」では、二代将軍秀忠公の霊廟である「台徳院殿霊廟(たいとくいんれいびょう)」を再現した美しい模型が展示されています。三代家光公によって境内に造営された建築群で、日光東照宮のプロトタイプとなった壮麗なものでしたが、戦火によって焼失してしまいました。

戦前の姿はモノクロ写真の中に残されていますが、この壮麗な霊廟が10分の1のスケールで見事に再現された模型は大変貴重です。この模型は1910年の日英博覧会に出品されたもので、長いこと英国王室コレクションに保管されていましたが、100年を経て日本へ戻ってきました。

明治末期の最高の工芸技術を結集して造られた巨大建築模型を、間近で見ることができます。

「光摂殿」120枚の天井絵


出典:ウィキメディアコモンズ

大殿の左側に、2012年に講堂・道場として建てられた「光摂殿」があります。この建物の3階、大広間の天井絵は日本を代表する画家たち120名の作品が奉納され、「四季の草花」を共通のテーマにずらりと並んでいます。

この大広間は主に僧侶の修行道場施設として使われているため、いつでも見ることができるわけではありませんが、特別公開や見学ツアーなどのイベントの時には内部を見ることができます。

増上寺は桜のお花見にもおすすめ


出典:ウィキメディアコモンズ

増上寺は、200本もの桜が植えられており、桜の名所としても有名で、趣のある建物と、背後にそびえたつ東京タワー、美しい桜のコントラストはまさに圧巻。

寺院と東京タワー、桜を一枚の写真に収めることができることもあり、桜が見ごろとなる3月下旬から4月の上旬には、観光客や写真愛好家が多く訪れます。

魅力あふれる増上寺に行こう


出典:ウィキメディアコモンズ

大殿の右側、境内の北側にある「安国殿」には、家康公が深く崇敬していた秘仏「黒本尊」の阿弥陀如来像が祀られており、お札の販売もしています。家康公はこの仏のご加護によっていくつもの災いを除け、戦いに勝利したと言われていて、このことから、江戸時代より「勝運」「厄除け」のご利益のある仏様として親しまれてきました。

境内を入ってすぐ右手にある鐘楼堂の大きな鐘も必見です。建物は戦後に再建されたものですが、中に納められている大きな鐘は東日本で最大級の大きさで、江戸三大名鐘の1つに数えられています。

朝に夕に響く荘厳な鐘の音は、江戸の昔から庶民たちも同じ音を耳にしていたのだと思うと、悠久の時間の流れを感じずにはいられません。

「増上寺」の趣は、なんといっても600年もの歴史があり、17世紀中頃には、3000人以上の学僧がお念仏を全山に鳴り響かせていた荘厳さを漂わせた建物の背後に、現代の東京のシンボルである東京タワーがそびえ立っているという景観です。

時代が変わっていくけれども変わらないものを、その景観の中で探し出し、味わうひとときとなるはずです。

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