浄土宗七大本山の一つとして知られる「増上寺」をご存知でしょうか?
いまから600年以上も昔、1393年に現在の千代田区紀尾井町に位置する江戸貝塚に開かれ、歴史を刻んできた「増上寺」は、ビジネス街の中心「浜松町」の車が激しく行き交う大通りのそばで、お寺の門は開かれています。
1393年に江戸貝塚に開かれ、安土桃山時代の1590年に徳川家の菩提寺となり1598年に今の地へと移転して以降、関東の浄土宗教学の殿堂として、その役割を果たし続けています。
名称 | 増上寺 |
---|---|
住所 | 東京都港区芝公園4-7-35 |
アクセス | 都営地下鉄芝公園駅から徒歩5分 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | なし |
日常に溶け込む「大門」から窺う増上寺の歴史
出典:ウィキメディアコモンズ
車道の上にそびえ立つ「大門」、見かけたことのある方も多いのではないでしょうか?
かつては、増上寺の総門でしたが、今はその役割を終え、門の下を通る車道には多くの車が行き交っています。浜松町から「増上寺」の方へ向かって歩いていくと、「浄土宗大本山 増上寺」という札のかかったこの門が見えてきます。
都営地下鉄の「大門駅」の由来も、増上寺の大門にちなんでいます。明治期の廃仏毀釈や東京大空襲などの苦難の時代を経て、一時は東京都の所有となっていましたが、2016年、増上寺に返還されました。「増上寺」が歩んできた歴史を物語る景観です。
東日本最大級の迫力!国の重要文化財「三解脱門」
出典:ウィキメディアコモンズ
「増上寺」の表の門として、道ゆく人に堂々とした構えを見せている「三解脱門」は、通称「三門」とも呼ばれ、1622年に徳川幕府の助成によって建立された東日本最大級の門といわれています。
大門や浜松町方面から向かった正面にあたり、大門から約108間の場所に位置しています。人々を悩ます煩悩は108あると言われており、それを意識したものです。
三解脱門は、「むさぼり、いかり、おろかさ」の3つの煩悩から解脱する門のことです。煩悩に満ちた日々から離れたいとき、この門をくぐり、日常から離れてみるのもいいかもしれませんね。
増上寺には徳川幕府6人の将軍が眠る
出典:ウィキメディアコモンズ
1590年に家康が「増上寺」を徳川家の菩提寺に決めた後、三代将軍家光の葬儀を行なった際に上野の「寛永寺」も徳川家の菩提寺として選ばれ、以降2つの寺は交互に将軍たちを弔い続けてきました。
「増上寺」には、二代秀忠公、六代家宣公、七代家継公、九代家重公、十二代家慶公、十四代家茂公の6人の将軍が眠っています。元々の徳川家霊廟は大殿の左右に並ぶ壮麗なものだったのですが、1945年の空襲でほとんど焼失してしまい、今の場所に改葬されたのは、1958年のことでした。
大殿の右奥に配置された墓所は、かつて家宣の霊廟の「中門」だった「鋳抜門」によって守られています。葵紋が配された重厚な扉は、戦災に遭う前の壮麗な霊廟の面影を今の私たちに伝えてくれる貴重な存在です。
【男なら一度は憧れる】日本の芸術『社寺建築』を創造するスペシャリスト!宮大工体験!