南部風鈴の心地よい音で夏を楽しむ|ストレスを軽減する音の秘密とは

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涼しげな音色で暑気を払ってくれる軒先に吊るされた風鈴は、夏の風物詩であり日本独特の文化の1つだと言えます。日本各地で生産される中でも、鋳物作りが盛んな岩手県で生産される南部風鈴は独特の透き通るような美しい音色を奏でることから、古くから多くの人たちから愛される風鈴として知られています。

鉄製風鈴を代表する南部風鈴は、経済産業大臣指定の伝統工芸品である南部鉄器の伝統的な製法を用いて作られています。良質な砂鉄を原材料に非常に密度の高い鋳物として作られる南部風鈴は、リーンという高く澄んだ音色が長く続くことが特徴だと言えるでしょう。

南部風鈴の美しい音色は環境省選定の「残したい日本の音百選」にも選出されています。南部風鈴は日本人の心に染み入る懐かしさを含んだ音色で、癒してくれる風鈴の中でも特に愛されている風鈴です。

南部風鈴の歴史


photo by RemuJB ~辞めました~

今から960年ほど昔の平安時代後期に、近江国(現在の滋賀県)から鋳物師を招いたことから南部鉄器の歴史は始まります。

岩手県では鋳物の原材料となる良質の砂鉄が産出したことから、南部鉄器の存在は当時の奥州藤原氏が強大な権力を持つことに貢献したと考えられています。

鉄瓶や鍋、蝋燭を立てるのに用いられる燭台(しょくだい)などの生活雑貨と共に、魔を払うと信じられていた風鈴は寺院の軒先に吊るすために南部鉄器と共に仏具の1つとして作られました。

古くから仏具の1つとして作られていた南部風鈴は非常に長い歴史を持つ風鈴だと言えるでしょう。

江戸時代に入ると仙台藩と共に盛岡藩でも鉄器の生産が行われるようになり、南部鉄器はますます大きな産業として成長します。

茶釜の生産も始められ風流を好む趣味人の間で南部鉄器が重宝されたため南部風鈴も各地の趣味人から求められたのではないかと考えられます。

昭和の戦時下には鉄不足から多くの家庭にあった南部風鈴は、供出物資の1つとして国によって回収されました。終戦後には物資が不足する中、生活に潤いを求めた人々が南部風鈴を買い求め、夏の暑気を払ったと言われています。

南部風鈴の特徴と魅力


出典:写真AC

南部風鈴の特徴は、良質の砂鉄を用いて作られる密度の高い南部鉄器の鋳物で作られているという点です。

南部風鈴の柔らかでありながら澄んだ音色、リンリンと鳴るのではなくリーン、リーンと鳴り響く風情のある独特の音色は南部風鈴の特徴であり魅力であると言えます。

リーンと鳴り響く南部風鈴の音色は3,000ヘルツの高周波音帯に属します。

小川のせせらぎや鳥のさえずりなど癒し効果が高いといわれる自然界の音と同じ周波数帯であることから、南部風鈴の音色に癒しを感じる方が多いのは当然の結果です。

南部風鈴の音色を耳にすることで脳内のストレスが軽減され、思考力や運動能力を司るホルモンの分泌が活性化されると考えられています。南部風鈴には暑気払いの効果意外にも高い、リラクゼーション効果が期待できるという特徴もあります。

水沢駅の南部風鈴


出典:Wikimedia Commons

南部風鈴が生産される南部鉄器の郷、岩手県奥州市に位置するのがJR水沢駅です。南部風鈴の郷の交通機関として機能する水沢駅には例年6~8月の間、非常に多くの南部風鈴が飾られ、水沢駅の利用者に癒しを与える空間としても機能します。

別名「風鈴駅」とも呼ばれる水沢駅に飾られる南部風鈴は、一般的な吊り鐘方に始まり、松笠型、灯篭型などの伝統的な南部風鈴やフルーツや野菜、花などを模した斬新なデザインの南部風鈴も飾られ、涼しげな音色で耳を楽しませてくれるだけではなく、様々なデザインで目も楽しませてくれます。

1963年から60年以上も南部風鈴の展示を続ける水沢駅は、南部風鈴ファンであれば一度は足を運んでみたい南部風鈴スポットだと言えるでしょう。

南部風鈴の魅力

室内に吊られた蚊帳越しに、南部風鈴の涼しげな音色を楽しみながら、まどろむのは伝統的な日本の夏の夜の過ごし方として、非常に魅力的な贅沢な時間です。

 

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