たばこと塩の博物館とは、日本たばこ産業(略してJT)が経営する東京・墨田区にある博物館です。1978年当時は専売公社という名前だったJTが、たばこと塩について資料を集めることを目的として、渋谷の公園通り沿いに建てました。
たばこと塩の博物館は、たばこ販売70周年記念の事業の一環として作られ、第二次世界大戦前から集められていた多種多様なたばこやたばこを吸う道具、世界各国の岩塩などがディスプレイされていました。
建物が古くなり収集物も増加したために、JTの敷地内の倉庫をリノベーションし、2015年4月渋谷区から墨田区に新しい「たばこと塩の博物館」が開館しました。
たばこと塩の博物館のアクセス・営業時間
出典:写真AC
たばこと塩の博物館の最寄り駅ですが、東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー駅」から徒歩8分、そのほか都営浅草線「本所吾妻橋駅」から、徒歩10分と交通の便も良いです。
営業時間は午前10時~午後6時で、最終入館時間は閉館30分前までです。休館日は原則月曜日で、祝日の場合は次の平日に振り替えられます。料金は大人でも100円ということですから、普通の博物館と比べるとかなりリーズナブルです。
たばこと塩の博物館では何が楽しめる?
たばこと塩の博物館で展示しているものは、もちろん名前のとおりまず「たばこ」についてです。たばこの起源や、コロンブスの大航海時代によって世界に伝わっていった様子など、幅広くたばこの知識を学ぶことができます。
日本国内でのたばこ文化の変化、江戸時代のキセルなどを使った形態から、明治時代文明開化にともない、たばこも洋風化する変遷なども知ることができます。 常設展に加えてたばこと塩の博物館では特別展も開催されており、たばこ・喫煙具にまつわる展示や浮世絵の展示、夏休みにはお子様向けの展示も行われています。
塩も人類にとっては欠かせないものであり、岩塩などの資源には恵まれなかった日本では、縄文時代から海水をもとにして塩を作るという、独特の製塩技術が確立されたということについて、たばこと塩の博物館で勉強できます。
たばこの歴史
出典:写真AC
たばこと塩の博物館に展示されているアメリカが発祥地であるたばこは、世界中に普及し、それぞれの国の生活様式・文化に合った嗜好品として発展します。古代アメリカでは、楽しみの一つとしてまた儀礼用や薬用としても重んじられていたのです。
たばこはその後大きく広がっていき、種類も多岐に渡ります。パイプはもちろんのこと、水パイプ・葉巻・嗅ぎたばこ・きせるなども考案されました。 日本では南蛮貿易によって、たばこが伝来しました。
16世紀末に伝わり、江戸時代に発展したたばこ文化ですが、幕府は「ならず者」の象徴ともされたたばこを、庶民に悪影響をもたらすものとみなし、禁令を出したりしました。それでもたばこを栽培する農家は多かったといいます。
たばこ盆・たばこ入れなどの小物も作られ、次第に手刻みのたばこから機械で作るものへと進化をとげました。明治時代「ハイカラ」がもてはやされた日本では、キセルより便利でおしゃれに見えるたばこや葉巻が大都市を中心として流行していき、たばこ文化も大きく変わっていったのです。