「伯方の塩」工場を見学!しまなみ海道大三島をグルメ観光

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「♫~は・か・た・のしお」のCMを、耳にしたことはあるでしょうか。その「伯方の塩」を製造している、愛媛県大三島の伯方の塩工場を訪ねました。

ちょっとややこしいですが、しまなみ海道を四国側から大島→伯方島→大三島と渡ります。伯方の塩工場は「伯方島」にはなく「大三島」にあり、営業日は誰でも見学することができます。

伯方の塩生誕の歴史とは

明治時代から、塩は国が専売公社で専売制にしていました。1971年「塩業近代化臨時措置法」が成立し、それまで作られていた塩田塩を一切廃止してオーストラリアまたはメキシコから輸入した天日塩を用いて「イオン交換膜法」で化学的に塩化ナトリウム99%以上の塩のみを生産するように決まりました。

これに反対した松山市の主婦たちが、自然塩存続運動を起こしました。その運動の結果「伯方塩業株式会社」が政府から自主流通の「自然塩」の製造を条件付きで委託され創業、販売に至り、「伯方の塩」が生産されるようのなったのでした。

伯方の塩は国産ではなかった?

条件として「メキシコ、オーストラリアから輸入していた源塩(天日塩)を利用すること」「平釜を使うこと」「専売塩を誹謗しないこと」などのが出されました。袋のデザインや文言までも専売公社に許可を貰わなければなりませんでした。

1997年に塩専売法は廃止され、海水からの直接製塩も認められ、2002年には完全に塩の製造、販売、輸入は自由化されて今に至ります。

伯方の塩工場・大三島

↑工場入り口にあるチャイムがお出迎え。順番に叩くと「は・か・たの・しお♫」のメロディになります。

伯方の塩工場では、塩製造の工程が見学できます。残念ながら撮影は許可されていませんでした。

メキシコ・オーストラリア産の源塩

原料の天日塩は、オーストラリアまたはメキシコから輸入されています。その天日塩を海水で溶かし、濾過してかん水をつくります。そのあと煮詰めて、乾燥させ粗塩または焼塩がつくられています。見学窓からは、乾燥させるために積まれた迫力ある塩の山を見ることができます。

つくり方には、誕生時からこだわっており、化学薬品を一切使わず「にがり」をほどよく残すために、日本の海水でとかして、濾過した塩水を数時間じっくり「自然乾燥」そして異物を丁寧に取り除いています。

伯方の塩の特徴

↑こちらは、見学のお土産にいただいた伯方の塩のサンプルです。

伯方の塩は、にがりを程よく残し、海水中のミネラルなどを残して風味のある塩となっています。塩味の中にほんのりとした甘さを感じることもできます。にがりが少ない塩は塩辛いだけで、にがりが多すぎると苦味が強くまずいです。食用に優れていた「流下式塩田塩」の塩をお手本にして、こだわりのある塩づくりがなされています。

流下式枝条架併用塩田の再現

工場の東側には、伯方の塩が誕生するきっかけとなった「流下式枝条架併用塩田」を再現した施設があります。1953年から1972年に全ての塩田が廃止され「イオン交換膜製法」に画一化されるまで、瀬戸内海沿岸では写真のような「流下式枝条架併用塩田」で塩が作られていました。

専売法が1997年に廃止されて、海水から直接塩をつくることが認められるようになって、塩田製塩技術継承のためにこの施設が再現されたのでした。

流下式枝条架併用塩田では、海水をポンプで汲み上げ、まずゆるい傾斜がついた「流下盤」に海水を送り水分を蒸発させます。そして丈の枝で組んだ枝状架の上方からかけていきます。

自然の風で乾かしていくことで、水分を蒸発させてだんだん濃い塩水にします。そしてできたかん水を濾過し、煮詰めて自然塩にしていくのでした。ほどよくにがりの残ったおいしい塩になります。

塩田では、係の方がていねいにこの塩田について説明してくださいました。また塩田で作られた「されど塩」のサンプルををお土産にいただきました。

伯方の塩の製品

伯方の塩工場では、売店で様々な「伯方の塩」製品も販売されています。

伯方の塩ソフトクリーム

伯方の塩ソフトクリームは、うっすら塩味がついたソフトクリームに、大粒のおいしい塩「フルール・ド・セル」がトッピングされています。塩味をつけることで甘みがひきたちます。

バリィさんの塩焼

↑こちらは「バリィさんの焼塩」。今治市のゆるきゃらバリィさんは、2012年のゆるキャラグランプリ1位。このかわいいパッケージの焼塩は、この大三島工場の売店だけでしか手にはいらない限定商品です。工場見学の記念にぜひ買いたい一品!

お土産にはフルール・ド・セル(塩の花)

↑こちらがお土産に買った「フルール・ド・セル(塩の花)」です。大粒の塩で歯ごたえがあります。お料理のトッピング用に最適です。

塩をつかったお菓子類もたくさんの種類がありました。

伯方の塩キャラメル

伯方の塩羊羹

伯方の塩フィナンシェ

伯方の塩冷やし甘酒

伯方の塩・大三島工場見学まとめ

愛媛県今治市大三島にある伯方の塩工場についてご紹介しました。伯方の塩は、工場生産と言ってもこだわりのある「自然塩」ということがわかりました。

しまなみ海道にある大三島。しまなみ海道は、島を渡るサイクリングコースとしても有名です。ぜひ、グルメ観光に伯方の塩・大三島工場を訪れ、おいしい塩づくりの秘密や塩田を見たり、こだわりの塩製品を試してみてはいかがでしょうか。

写真・分/あかつき

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