茶室でのマナーや造りを紹介|茶室はいつから使われている?

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茶室は、茶道において主催者が客を招き、茶を出してもてなすための場所です。 ただし、間取りや造りが決まっているわけではなく、広さでさえ2畳、4畳半、6畳、8畳など本当に様々であり、大きく草庵風と書院風に区分されますが、一般的には草庵風の茶室を指します。

茶室の広さについては4畳半が基準となっており、4畳半以下の間取りの茶室を「小間」といい、4畳半以上15畳くらいまでの茶室を「広間」と呼びます。 草庵風は小間であり、丸太の柱や土壁、壁の一部を塗り残して壁下地の格子状に組んだ竹を見せた、下地窓などの自然の素材を活かした侘びの風情を大切にしています。

一方書院風は広間であり、柱は面取りをした角柱を使い、格調高い雰囲気をもたせています。 小間と広間では風情が異なるため、道具も異なります。

茶室の歴史


出典:写真AC

日本における喫茶の風習は平安時代まで遡り、鎌倉時代には禅宗の寺院を中心に茶を嗜むことが広まりました。室町時代には連歌の会などの寄り合いにおいて茶が振る舞われましたが、この時期までは座敷の裏で茶を点てて座敷に運んでいました。この座敷が、床、棚、付書院などを伴った書院造として発展していきます。

書院の茶においては茶道具や飾り物に中国渡来の唐物が重用されました。 一方の草庵風は、15世紀後半から16世紀にかけて、都会にいながら山里の風情を楽しむという「草庵の茶」いやゆる「侘び茶」として発展していきます。

草庵の茶は15世紀の村田珠光から、16世紀の武野紹鷗(たけのじょうおう)を経て、彼の弟子である千利休により完成されました。

茶室の構造


出典:写真AC

茶事では、招かれた客はいきなり茶室に通されるのではなく、座敷の「寄付」と呼ばれる控えの間で不要な荷物を風呂敷にしまい、足袋を履き替えるなど身支度を整えます。

次に「待合」と呼ばれる部屋に通され他の客が揃うのを待ち、全員が揃うと露地草履に履き替えて露地に下り、腰掛待合という屋根つきのベンチに腰掛けて亭主の迎え付けを待ちます。 迎え出た亭主の合図に従って客は茶室に向かい、小間の茶室には「にじり口」という小さな入口から頭をかがめて体を入れます。

「にじり口」は刀を持って入ることができる寸法ではなく、「茶室に入ればどんな人物でも対等である」という千利休の茶の湯の精神から考え出されたものです。

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