寿司の数え方
寿司は様々な数え方で数えられます。握り寿司や軍艦巻きは一貫、二貫と数え、巻いた状態の巻き寿司は一本、二本、切り分けると一切れや、一個という数え方がされます。
いなり寿司や茶巾寿司の場合は一個、二個、手巻き寿司は一本、二本という数え方で勘定し、 折り詰めになった寿司は一折り、二折り、寿司桶に盛り付けられた寿司は一桶、二桶と寿司の数え方には独特な単位が用いられます。
寿司店で消費量が最も多いのが握り寿司だと言えますが、寿司の数え方は店によって異なり、一つの握り寿司を一貫と呼ぶ場合も、二つの握り寿司を一貫と呼ぶ場合もあります。
しかし、一般的に寿司の一貫は一つの握り寿司だと言われているので、もし一貫で2つの握り寿司が提供された場合は「二つで一貫のお店なんだ」と納得しましょう。板前の手がすくのを見計らって質問してみるのも話のきっかけとなって良いかも知れませんね。
なぜ寿司の数え方が重さの単位「貫」なのか
出典:写真AC
寿司の数え方が店によって異なると言うのはある意味不便ですし、不可解なことであると言えます。貫という単位は日本で古くから用いられていた尺貫法の単位で、約3.75Kgを表すものです。
重さの単位である貫が、なぜ寿司の数え方に取り入れられたのかについては諸説存在します。
握り寿司の起源は江戸時代に新鮮な江戸前の魚介類を用いて握られたことに端を発します。当時の握り寿司は1つが約40g程度もあり、現在のものよりも大振りに握られていたと言われています。
一人前の握り寿司を「一貫揃え」を呼んでいたものが、近年握り寿司1つを指すように変化し、約40gの寿司を2つに分けて提供しても一貫とする考え方が発生しました。
これに対して1つの寿司の数え方が一貫であるのだから、小振りになったものでも一貫であることに近いないという考え方もあり、一貫という寿司の数え方に統一性がなくなったと考えられています。
寿司の数え方の歴史
出典:写真AC
既に紹介したとおり、江戸の町で生まれた握り寿司は現在のものよりも大粒に握られていたと伝えられ、一人前の握り寿司は9種類の寿司種が盛り付けられたもので、握り寿司一人前の重さが約360gほどあったと言われています。
握り寿司一人前が約1/10の1貫となるいのですが、景気の良いことが好きな江戸っ子たちはこれを「目方一貫分の握り寿司」と呼び、寿司の数え方として定着したのではないかと考えられています。
現在用いられている一貫、二貫という寿司の数え方が一般的に普及したのは、昭和後半から始まったグルメブームの影響ではないかと言われています。
このときに寿司の定義に2つの解釈が発生したことは前項で紹介したとおりです。