雪見障子に猫間障子|ガラスをはめ込んだ少し変わった障子

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雪見障子とは、障子の下半分にガラスがはめ込まれた障子のことをいいます。 その名称どおり、表や中庭の雪景色を楽しめるように作られたものです。 最近ではガラスの代わりに、アクリルパネルがはめ込まれているものも多く出回っています。

これは、小さな子どもが誤って割ってしまわないように、安全面を考えた工夫です。 ほかにも、ガラスの入った障子にはいろいろな種類がありますが、雪見障子はそのなかでももっともシンプルで、ガラス部分をさえぎる仕組みなどはいっさいありません。

ただし、場合によってはガラスの手前に上下できる障子をつけたものを、摺上げ雪見障子ということもあります。 地方によっては、雪見障子のことを「大額障子」と呼びます。

雪見障子の特徴


出典:写真AC

雪見障子は、ガラス部分が透けているので、つねに外の景色が目に入ってきます。

朝夕や季節によって室内の様子も変化していき、まさに移り行く時とともに過ごすことができる仕組みとなっています。 全面ガラス張りのガラス障子と大きく異なるのは、あえて視線の一部がさえぎられているという点です。

そのため、見える景色が角度や視線によって大きく変わってきます。 たとえば、直接畳に座っている状態と、腰掛けに座ったり、立ったりしている状態で見た景色とでは、同じ庭であってもまったく異なる顔を見せてくれるのです。

開けっぴろげにすべてを見せてしまうのではなく、限られているからこそ、かえって奥深い景色を味わうことができる。 雪見障子は、そんないかにも日本人らしい情緒あふれた工夫といえるのです。

雪見障子に似た猫間障子とは

猫間障子は、雪見障子と同じように障子の一部にガラスがはめ込まれた障子です。 大きな違いは、ガラスの手前にさらに開け締めできる障子があるという点です。 孫障子ともいいますが、その形にもさまざまなものがあります。

中央の小さな障子を左右に開くものを「引分猫間障子」、片側から左右どちらかへ開くものを「片引猫間障子」といいます。また、下部にはめこんだ商事を上に開くものを、「磨上げ猫間障子」といいます。 この磨上げ猫間障子のことを指して、雪見障子と呼ぶこともあります。

名称からも分かるように、もともとは猫が出入りするために作られた仕組みだったといいます。したがって、かつては当然のことながらガラスははめ込まれていませんでした。

時代が下るにつれ、猫の通り道の意味が失われ、より機能的に変化していったものと考えられています。 現代では、開け閉めすることで外の景色を楽しむことが主な目的となっています。

額入り障子


出典:写真AC

額入り障子とは、障子の真ん中あたりにガラスをはめ込んだ障子のことをいいます。 直にガラスをはめ込むのではなく、額縁を設けているのがその大きな特徴です。 この額縁が縦に長いものを縦額障子といい、横に長い額縁のものを横額障子といいます。

額入り障子のなかでも、腰板が付いたものは、昭和の初期まで日本住宅でもっともよく見られた障子のひとつでした。 額入り障子からのぞく景色は、雪見障子よりも、より遮られたものとなっています。 このように、視線を調節することで、部屋の空間をさまざまに演出することができるのが額入り障子の魅力といえます。

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