割烹料理とは?意味や由来をわかりやすく紹介。
料亭や懐石料理との違いも紹介します。
割烹料理とは?
出典:写真AC
割烹料理とは、かつて「料理方法」のことを指していましたが、現在では高級な日本料理を食べられる店を割烹と呼んでいるところが多いようです。
お店としての割烹とは、調理場と食事のスペースがワンフロア内に設けられており、カウンター席やテーブル席で本格的な日本料理や懐石・会席料理を頂くことの出来るお店のことを言います。
カウンター席スタイルの割烹では、板前と客の間にカウンターを挟み、接客人を置かず料理は板前が直接客に料理を提供するというシステムです。
カウンター越しに板前との会話を楽しみ、調理する様子を見ることが出来る他、客の要望に応じて1品料理を作ってくれるところが多く、好きなメニューをオーダーすることが出来ます。
このカウンタースタイルは、ランチやディナー、接待などでの利用はもちろん1人でも気軽に利用することが出来ます。
現在の割烹は、かつての割烹とは異なるスタイルが増え、カウンタースタイルの他、テーブル席、個室を設けているところも多くなり、本格的な日本料理を大人数で堪能することも出来るようになっています。 慶事、祝事、法事等シーンを選ばず気軽に利用することが出来ます。
割烹の意味・由来
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割烹とは、「割」が包丁を使って切ったり裂いたりするという意味、「烹」が煮たり焼いたり蒸したりと火を通すという意味を持ちます。もともと割烹とは調理や料理の方法を表す言葉として使われていました。
しかし、次第に割烹という言葉は、「江戸料理」に対して「上方の料理」の呼び名として使われはじめ、江戸の後期になってからは主に高級料理のことを割烹と呼ぶようになっていきます。 現在のカウンター席やテーブル席で料理を提供するスタイルが定着したのは、明治時代後期頃と言われています。
座敷で頂く宴席料理とは異なり、自分好みの料理を板前が目の前で調理し提供してくれる、高級料理が気軽にイス席で食べられる、ということから大流行しました。
割烹とは、こうして料理方法の名前から高級料理の食事スタイルの意味へと変化し、大正・昭和初期に大阪から全国へと広がり、今の割烹店の基本となっています。
割烹と類似する料亭とは?
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料亭とは、食事をするスペースとして個室が用意され、料理は部屋担当の仲居等が運んでくるというスタイルが特徴です。
本格的な日本料理を味わえる点は同じですが、割烹とは異なり、主にお酒を楽しむ場ですので、飯と汁は食事のあとに提供される会席料理が基本となっています。現在では料亭に板前を置くところもありますが、かつては酒以外の料理は仕出しで賄うことがほとんどでした。
原則として料亭の利用は予約が必要で、食事をしながら歓談を楽しむほか、芸子を呼んで日本伝統の芸を楽しむことが出来ます。また、食事を盛る食器や部屋の中の装飾品にもこだわっているところが多く、高級な日本の文化を見て、感じて、親しむことが出来ます。
財界人や政治家、経営者等一部の人しか利用できず、重要な会議や接待に使用され、情報漏洩対策やその厳格な雰囲気を大切にする、利用料の支払いが高額である、などの理由で「一見さんお断り」という料亭も多くみられました。
現在では以前のような「一見さん」システムを継続しているところが減り、慶事や祝事、法事、接待、宴会などで広く利用されるようになってきています。
料亭の意味・由来
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料亭は割烹より以前から存在し、江戸時代中期に深川や浅草から発祥したと言われています。 広いお座敷の個室で大名などの位の高い武士たちが料理を堪能し、芸者を呼んでお座敷遊びを楽しんでいたという歴史があります。
当時は料亭ではなく「料理茶屋」と呼んでおり、「料亭」と呼ばれるようになったのは、明治30年(1897年)の情報雑誌が「料亭」と掲載したことがきっかけと言われています。
しかし、割烹とは異なり料亭は高級感を重んじていたために広く普及することが無く、時代の流れと共に継続できずに閉めてしまった料亭も数多くみられています。
割烹と料亭の違い
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割烹・料亭共に高級な日本料理を味わえるということに変わりはありません。 割烹とは、板前との距離が近く、出来立ての日本料理をすぐ頂ける、四季折々の食材や調理方法等を板前と話が出来るという店であり、1人からでも利用できるという魅力があります。
一方料亭とは、個室という隔たれた空間の中で、複数名で日本伝統の芸や装飾品、食器、庭など洗練された高級なものに触れながら日本料理を堪能できる店という魅力があります。
気を張らずに本格的な日本食を堪能できる割烹とは異なり、敷居の高い「料亭」ですが、日本の文化そのものと言ってもいい存在となり、今も日本全国各地でその伝統を守り続け人々を魅了しています。
割烹料理と懐石料理の違い
割烹料理は、個々の料理を調理するのに長時間かけ、素材の風味や味わいを最大限に引き出すことに重点を置いています。 一方、懐石料理は、季節感を大切にし、シンプルで軽い料理を繊細な器に盛りつけ、色や形、風味などを調和させることを重視します。
また、割烹料理は基本的には個々の料理を注文し、出来上がったものを順次提供していきますが、懐石料理は、多くの場合、コース料理形式で提供され、前菜、椀物、お造り、焼物、煮物、揚物、食事、デザートなど、一連の料理を楽しむことができます。
最も大きな違いは、割烹料理はもともとは客の前で料理を調理し、すぐに提供されることが多いのに対し、懐石料理は、予め調理されたものが、客の前で盛りつけられることが多いということです。 ただし、現代の割烹料理では、料理を作る様子を見せるために、オープンキッチンが設置されている場合もあります。
総じて、割烹料理は素材の味を生かした料理を個々の料理で楽しむスタイル、懐石料理は色彩、形、季節感などの要素を調和させ、一連の料理で楽しむスタイルと言えます。
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