雨の種類と呼び名13選(季節・降り方別)|意味・由来もチェック!

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雨の種類と呼び名(降り方)


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ここからは降り方による表現方法の違いをチェックしていきましょう。

強い雨


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「夕立ち」
夏の午後から夕方にかけて、突然強く降り出す種類の雨を指した言葉です。とても短時間の間にザッと雷をともなって降るのが特徴。ひょうやあられが降ることもあり、「白雨」ともいいます。

もともとは、雨だけではなく、風や波、雲といった気象が夕方に生じることを「夕立つ」と表現していました。それが、この雨のみを指して「夕立」というように変化していったのです。

特に、真夏によく晴れた日が続くと降りやすい種類の雨で、気温が高いと地表の空気が温まり、上昇気流によって水蒸気が大きな積乱雲を作ります。この積乱雲が夕立の原因となるため、「夕立雲」とも呼ばれています。

最近では、5~6月の時期にも見られることもあり、あまりの激しさから「ゲリラ豪雨」とも呼ばれるようになりました。

弱い雨


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「狐の嫁入り」
太陽が照っているにもかかわらず降る雨のことを指します。いわゆる天気雨の種類で、「天照雨」や「天泣」という名称も。

もともと、狐の嫁入りというのは、嫁入り行列の提灯のように、夜にふらふらと無数の狐火が見える怪異を指した言葉でした。実際に狐が嫁入り行列をする姿が目撃され、あるいはそれが狐のいたずらだと分かる、といった種類の伝説や民話が日本各地にあり、古典作品としても残っています。太陽があるのに降る天気雨は、「まるで狐に化かされているようだ」という意味が込められています。

ほかにも、「狐の嫁入りが行われるときには雨が降る」とか、「行列を人目から隠すために山の上にだけ降らせている」という言い伝えもあります。地方によっては、青森の「狐の嫁取り」、神奈川や徳島の「狐雨」、千葉の「狐の祝言」などという言い方も。

止まない雨


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「淫雨(いんう)」
しとしとと降り続く陰気な雨のことを指します。もともと「淫」という漢字には、「物事に深入りする」「度が過ぎる」という意味があり、そこから派生してできた言葉です。ジメジメと降り続く様から「陰雨」と呼ばれることもあります。

急に降る雨

「村雨(むらさめ)」
突然強く降ったかと思えばすぐ止んだり、強くなったり弱くなったりをくり返す雨のことを指します。「村」は、人々が集まっている集落などを意味するため、人が多く集まっている=群れる、という事から「群れた雨」という意味を持っています。そのため「群雨」や「叢雨」と書かれることも。また、「驟雨(しゅうう)」と呼ばれることもあります。

恵みの雨


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「慈雨(じう)」
「慈」という文字には、「いつくしむ」という意味があります。慈雨は、大地をうるおし、いつくしむように緑や作物を育ててくれる種類の雨のこと。天からの恵みに対し、感謝を込めてできた言葉だといえるでしょう。

そこから派生して、「干天の慈雨」「旱天慈雨」という言葉も。これは、困っている状況に救いの手がさしのべられることを表しています。

また、慈雨は「喜雨(きう)」ともいいます。昔の人にとっては、日照りは大きな自然災害でした。作物が取れず、飢饉を起こして多くの死人が出ることも。そんな日照り続きの大地にようやく降り注いだ雨に、喜び天を仰ぐ人々。そんな情景が目に浮かぶような言葉ですね。

様々な雨の種類と呼び名


出典:Pixino

日本にはさまざまな種類の雨をあらわす、数多くの言葉があります。日本人がこれだけ雨を細かく言い分けてきたのは、湿度が高く降雨量が多い気候が大きく関係しているでしょう。また、稲作にとっても雨はとても重要。それだけ生活の一部としてごく自然に触れてきた結果ともいえます。

そして、雨の種類をあらわす言葉の一つひとつから、古くからの日本人のものの見方や考え方も垣間見れるでしょう。雨の日というと、どうしても憂鬱なイメージがあります。しかし、こうした古き良き日本人の視点を通すことで、憂鬱な雨にも美しい情景を見出せば雨の日も楽しめるようになるかもしれませんね。

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