詩吟とは?|流派や特徴、詩吟で詠まれる漢詩について

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詩吟の流派

私塾から全国にもたらされた詩吟は、さまざまな流派に分かれました。現在では、驚くほど多くの流派が存在しています。関西吟詩文化協会認定の会だけでも、寛村会、白鷺連合会、東京芦孝会、広島鷺曙会、鷺伸吟詠会があります。

全国的に活動を行なっているのは日本詩吟学院 (岳風会)系の会や、哲泉流日本吟詠協会、紫洲流日本明吟会など。その流派数は、全国に数百はあると言われています。

詩吟とともに演奏される和楽器


出典:写真AC

詩吟に和楽器による伴奏を入れるようになったのは、昭和20年代後半のこと。それ以前は、心と体の鍛錬のために行なう詩吟には伴奏は不要だと言われてきました。しかし、戦後の平和な時代が訪れると、考え方も変わってきたのです。音楽を採り入れるようになり、和洋楽器による伴奏が行なわれるようになりました。

詩吟でよく伴奏するのが、尺八と琴です。オーソドックスな尺八は約55センチの一尺八寸管。長いものほど音が低くなるという特徴があります。また、筝曲は13絃ですが、17絃や20絃など、さまざまな低音域の筝も存在します。一般的な伴奏は3つの手法で行います。

まず、詩吟の吟者の影となって付いて演奏する伴奏、そして付いたり離れたりをミックスした伴奏、それからBGMのように行なう伴奏です。伴奏が吟者の影となることが多く、この場合、吟者は自分のペースで詠うことになります。

種々の楽器で広まる詩吟のロマン

日本の伝統芸能である詩吟を紹介しました。以前は年配の方が、披露宴の余興などで詩吟を行なうことも多かったです。しかし、今では何かの余興で「詩吟をやる」と言えば、お笑いタレントの詩吟ネタを思い出す方が多くなってきました。

しかし、詩吟はひとりで気軽に楽しめる趣味であり、大きな声を出すことでストレス解消になります。しかも、漢詩や和歌などにも親しむことで、深い教養を身につけることもできます。もちろん、詩吟の魅力はそれだけにはとどまりません。自作の詩や俳句などに節をつけて吟じたりすることで、気軽に詩作も楽しめます。

また、日本の伝統的な和楽器の音色に、親しむことができるのも大変素晴らしいことです。和楽器だけではありません。ピアノ、フルート、ギターなど、洋楽器での伴奏も広く行なわれています。詩吟に世界の様々な楽器を組み合わせることで、さらにロマンの世界が広がります。

詩吟について知識を深めたい方はこちらがおすすめです。

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