日本の伝統色6選|名前の由来・意味・歴史・勿忘草の伝説

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日本の伝統色その4<勿忘草色(わすれなぐさいろ)>

少し切ない色


出典:写真AC

こちらも伝統色の一つである勿忘草色を紹介します。勿忘草の読み方は、「わすれなぐさいろ」です。

この色もどんな色なのか、想像しにくい伝統色だと思います。勿忘草色とは、薄い紺色よりの綺麗な水色のことを指します。勿忘草に似たパッと明るい青色です。

この色の由来も、勿忘草という植物の名前から来ています。また、明治期からの新しい色名で、ドイツの伝説に由来する「フォーゲット・ミー・ノット」の和訳という説やドイツの詩人ウィルヘルム・アレントの『勿忘草』から取ったとの説もあります。

ここで、上記に出てきたドイツの勿忘草の伝説を紹介します。

ある日、ドナウ川の岸辺をルドルフという名の騎士と、その恋人であるベルタが歩いていました。ルドルフは急流にある花をベルタのために摘もうと、流れに身を投じたところあまりにも川の勢いが激しく、花は掴んだものの急流に飲まれてしまいました。
命が助からないと悟ったルドルフは、「僕を忘れないで!」と叫びベルタに花を投げて流れに消えていきました。その後、ベルタはその言葉通りにルドルフを生涯忘れずその花を髪に飾り付けました。その花が勿忘草です。

勿忘草の花言葉は「私を忘れないで」という意味です。これを踏まえてこの色を見ると、儚い青で少し切ない色となっています。

日本の伝統色その5<青鈍色(あおにびいろ)>

かつては喪服の色だった


出典:写真AC

こちらの伝統色、青鈍色は「あおにびいろ」と読みます。字面からも想像できる通り、薄く墨がかったような青色を指します。

平安時代の名作文学、「源氏物語」などの作品にもよく登場する色で、喪を意味する伝統色となっています。そのため、当時の喪服や僧尼の服装の色として、よく使われていました。

元々、近しい人が亡くなった際は、関係が近いほど鈍い色の服が着用されていました。しかし、貴族の人々は紺色に染めた喪服の上に墨色をのせるなどして、喪服ならではのファッション性を追求しました。青鈍色は、こういった経緯からできた色だという事です。

日本の伝統色その6<青丹色(あおにいろ)>

青は全く入っていない


出典:写真AC

次にご紹介する伝統色、青丹色は、読みにくい漢字ですが、「あおにいろ」と読みます。青色系統の伝統色と考えると思いますが、実は暗い色調の黄緑色を指す色です。

岩絵の具の一種で、孔雀石を砕いた岩緑青の古名が由来となっています。古典で、「枕詞」という和歌の修辞法を耳にしたことがあると思います。

枕詞とは特定の言葉の上に置かれて、その言葉を飾ったり語感をよくしたりする言葉のことを指します。例えば、「ちはやふる」は「神」に掛かる枕詞となっています。

在原業平が詠んだとされる、有名な百人一首の中にも「ちはやふる 神代もきかず竜田川 からくれなゐに水くくるとは」という和歌があります。

青丹も「青丹よし」として、「奈良」に掛かる枕詞となっています。

青丹色の元となった岩緑青の有名な産地が、奈良であることから出来た枕詞です。万葉集では小野老が詠んだとされる、「青丹よし奈良の都は咲く花の 匂ふがごとく今盛りなり」という和歌が収録されています。

伝統色から日本の歴史や文化を見てみよう

紹介してきた伝統色の中では、日本にあった植物の名前からつけられたが多かったですが、日本独自の文化に根付いた色も数多く存在します。

色一つとっても、その中には様々な意味が込められていたり、伝説があったりします

これは日本の伝統色だけではなく、海外の色でも同じです。生活していく中で気になる色がありましたら、その色に隠された歴史や文化を想像してみてください。今まで普通だと思っていた色の、意外な一面が知れるのではないでしょうか?

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