【日本三大七味とは?】食卓の名脇役「七味」の歴史や、材料によって代わるその魅力

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日本の三大七味の成分

日本の三大七味の各店の七味の成分は以下のようになっています。

・八幡屋礒五郎(長野)

乾燥赤唐辛子、青海苔、粉山椒、黒ごま、白ごま、紫蘇、麻の実

・やげん堀(東京)

生赤唐辛子、焙煎赤唐辛子、粉山椒、黒ごま、陳皮、芥子の実、麻の実

・七味家(京都)

乾燥赤唐辛子、青のり、粉山椒、黒ごま、白ごま、紫蘇、麻の実

各店の七味の特徴をまとめると以下のようになります。

・八幡屋礒五郎(長野)

生姜が入っているのが特徴で、寒い地方だけに体が温まる効果のある七味です。ゆず七味は柚子の風味が料理の味を引き立てます。

・やげん堀(東京)

辛味では一番の七味。元祖七味というだけで感慨深いものがあります。ここの七味が基本と思わせる七味。

・七味家(京都)

辛味をおさえて、香りに重きをおいた、薄味の食文化、関西ならではの七味です。

・原了郭(京都)

濃い色合いをした七味で、香りと辛味の心地良い刺激が他の七味にはない個性となっています。

七味の歴史に思いをはせる


出典:写真AC

中南米原産の唐辛子は、ヨーロッパ人の発見とともに、不思議な縁で、遠く日本にまでやってきました。 唐辛子が日本へ来てから約80年、薬研堀の中島徳右衛門が七味唐辛子を売り出します。

薬研堀におくれて、長野の八幡屋礒五郎が、そして京都の「七味家」が七味唐辛子を製造販売するようになります。

それぞれの店が、七つの薬味を、独自の調合で作ることで、 辛味と香りに微妙な違いのある七味唐辛子が生まれることになりました。 元祖七味の江戸の薬研堀も、信州の八幡屋礒五郎も、京都の七味家も、 七味の成分には微妙な違いがあり、食文化の地域差というものがあるものの、 共通しているのは、七味をただの調味料としてではなく、 人びとの健康に寄与するものとして考案し、作ったことです。

七味唐辛子を売り出した三つの店は、今もなお創業以来七味唐辛子を製造販売し続け、 七味唐辛子も、それが産声を上げて以来、ずっと、時代が変わっても人びとに支持されてきました。 そこには漢方薬の知識に裏打ちされた健康への思いと、昔の人の創意工夫がこめられていたからなのでしょう。

現在では、日本人の工夫によって生まれた七味唐辛子が、世界の人たちにも支持されています。

どこの家庭にもある七味唐辛子。 七味唐辛子の歴史を知ると、 食卓の上からそれを手に取って使うときに、 また一味違うものになりそうです。

【一味と七味の違い】辛さを楽しむか、風味を楽しむか

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