【四季・テーマ別】知っておきたい!有名な短歌21選

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【恋】有名な短歌3選


出典:写真AC

1.「恋ひわび しばしも寝ばや 夢のうちに 見ゆれば逢ひぬ 見ねば忘れぬ」
作者:小野小町
収録歌集:新千載和歌集
恋の短歌で人気を集めた小野小町。この歌は、「夢の中で恋しく思う人に会いたい、会えなくても眠っている間は恋しくてツラい気持ちを忘れられる」という気持ちを詠んだものです。

2.「忘れじの 行く末までは 難ければ 今日を限りの 命ともがな」
作者:儀同三司母
収録歌集:古今和歌集
不安に揺れる乙女心を詠んだ歌。永遠の愛を信じたいけど信じきれない、複雑な気持ちを表現しています。

3.「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで」
作者:平兼盛
収録歌集:拾遺和歌集
バレないように普通にしてみたのに、恋しているとわかってしまうほどに平常ではいられない様子を詠んだ、初々しい恋の歌です。

【人生を詠む】有名な短歌3選


出典:写真AC

1.「はたらけど はたらけど猶 わが生活 楽にならざり ぢっと手を見る」
作者:石川啄木
収録歌集:一握の砂
「働いても働いてもいっこうに暮しは楽にならない。私はじっと手を見る。」という意味で、当時生活が苦しかった石川啄木の心情を詠んだ歌です。

2.「幾山河 越えさり行かば 寂しさの 終てなむ国ぞ 今日も旅ゆく」
作者:若山牧水
収録歌集:海の声
「これから先、一体いくつの山や川を越えていけば、寂しさが尽き果てるような国に至るのだろうか」という思いを胸に、今日も旅を続けると詠んだ歌です。寂しさや苦悩などの感情が読み取れます。

3.「死に近き 母の添い寝の しんしんと 遠田のかはづ 天に聞こゆる」
作者:斎藤茂吉
収録歌集:赤光
死期の迫った母親の静けさと、生きているカエルの声との生と死の対比により、いっそうの寂しさを表現している歌。

【現代・近代】有名な短歌3選


出典:写真AC

1.「この味が いいねと君が言ったから 七月六日は サラダ記念日」
作者:俵万智
収録歌集:サラダ記念日
現代短歌の代表作とも言える作品。「この味ってどんな味なんだろう」と想像を巡らせる楽しみがあるのも、この歌の魅力です。

2.「みだれ髪を 京の島田にかへし 朝ふしていませの君ゆりおこす」
作者:与謝野晶子
収録歌集:みだれ髪
みだれ髪は、夫への想いを綴った歌集です。この歌は、みだれた髪をきれいに結い直して、朝に寝ている夫をゆり起こす、何気ない日常の幸せな気持ちが詠まれています。

3.「海にでも 沈めなさいよそんなもの 魚がお家に すればいいのよ」
作者:穂村弘
収録歌集:シンジケート
ここでいう「そんなもの」とは「物」ではなく、「プライド」などの意が込められています。「そんなつまんないものは海に捨ててしまいなさい」というポジティブな歌として詠めます。

短歌の世界を知ってみよう

今回紹介したもののほかにも、すばらしい短歌は数えきれないほどあります。教養や知識として短歌を知ることで、日本語の持つ美しさや昔の人々の暮らしが垣間見られるでしょう。 ぜひ今回をきっかけに、魅力をあふれる短歌の世界に触れてみてくださいね。

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