【小紋唯一の略礼装】江戸小紋の魅力と「三役」を紹介

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小紋で粋なコーディネートを!

こちらでは、様々なシチュエーションの小紋に合った帯をご紹介します。

まず、カジュアルな小紋を着る場合は、素材や柄によって使い分けできる便利な名古屋帯や浴衣をはじめとしたカジュアルな場面でよく使われている幅の狭い半幅帯を合わせると良いでしょう。

例:黒字の細やかな柄の小紋×格子柄の染めの半幅帯(普段着orちょっとした外出に)

次に、かしこまった場面など格調高く装う小紋を着る場合は、小紋の場合フォーマルな袋帯を合わせることはないですが、総柄小紋で箔などを用いた豪華な小紋や、京型友禅などの華やかな小紋には、袋帯を合わせることもあります。

また、袋帯でも箔が入っていない派手さを抑えた軽めのものや大人しい感じの金地や銀地のもの、洒落っ気のある帯を合わせても良いでしょう。

名古屋帯では、カジュアルの場面とは反対に、箔の入ったフォーマルで格の高いものを合わせます。

例:小さなシボの縮緬の更紗柄の小紋×おしゃれな紬織りの袋帯(友人との食事に)
例:茶系の落ち着いたたたき染めの小紋×わさび色の紬の染め帯(少しかしこまった場面で)

職人技!江戸小紋の染め方

江戸小紋を染める工程は、非常に高い技術力を必要とします。ここでは、江戸小紋の染め方の工程をご紹介します。

①地張り
一反の半分の長さの生地分の板(約7m)に薄く糊を塗って白生地を表裏に塗ります。これで、一反分です。

②型付け
型紙を一晩水につけて良く伸ばしておき、生地の上に置いて糊をヘラで塗っていきます。型紙は仕上がった際に白く抜かれる柄の部分が彫られているため、地色で染まらぬように生地の上に型紙を置いて糊を塗ることで彫られた部分のみ生地の上に糊がおります。

型紙は一反の型付けが終わると再び水で綺麗に糊を洗い落とし、乾かして保管します。染めの職人さんは、一つ一つの作業を丁寧に行い紙に傷が付いたら補修し大事に紙を扱っています。

③地染め
型付けした生地を乾かした後、その上から色の付いた糊をしごいて生地を染めます。色糊の調合はとても重要で、気候や温度によっても色の出方が変わってしまうので慎重に行います。染料を4~6種類調合し数回のテストを行って色糊を作っていきます。

④蒸し
生地におがくずを巻いてジャバラに木枠に引っ掛けて蒸し箱に入れ蒸して、染料を発色させて定着させます。

⑤水もと
蒸し上がった後、水で糊を洗い流します。洗い流すと、①の工程で糊を置いた部分が白く色糊で染めた地色に色が染まり美しい江戸小紋の姿が見えてきます。

⑥湯のし
水洗いをした生地を干した後、大きな蒸気の出る専用の機械でシワを伸ばし、生地の幅を整えます。

⑦地直し
工程を終えた生地を検品し、染めムラがある場合には、染めあがった反物の染めムラを目立たせないようにするために工房では職人さんが筆と小刷毛で綺麗にする地直しを行っています。

この工程を経て美しい江戸小紋ができあがります。

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