【小紋唯一の略礼装】江戸小紋の魅力と「三役」を紹介

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江戸小紋三役:鮫


出典:写真AC

江戸小紋には、三役と五役があります。三役は江戸小紋の中でも特に格式が高い柄で、それぞれ「鮫」、「角通し」、「行儀」といいます。これに「縞」「大小霰」を加えたものが五役です。

鮫は、8代将軍徳川吉宗の生家であった紀州家が用いていた柄で、扇形の模様を組み合わせて鮫の肌に見立てています。

鮫小紋とも呼ばれ、扇形のサイズや配列などはいろいろなバリエーションがありますが、江戸小紋の中でも最もよく知られている柄です。三役の中では唯一、曲線によって描かれています。

江戸小紋三役:角通し

江戸小紋の角通しは、無数の細い直線が同じ幅で上下左右に垂直に重なっている、いわゆるチェック柄の一種です。色合いにもよりますが、きりっとした涼やかさがありながら、地色と柄の色が均等に混ざり合い、江戸小紋を遠目に見ると独特な風合いのある見た目になります。

江戸小紋の柄にはそれぞれに意味がありますが、格通しは縦にも横にも筋を通すという潔さを表している柄で、男性にもおすすめです。柄の線が細く、本数が多くなるほど格式が高く、高級品になります。

江戸小紋三役:行儀


出典:写真AC

行儀は、江戸小紋三役の一つで、角通しに良く似た柄です。ただし、直線が上下左右に垂直に走っている角通しとは異なり、行儀は45度の角度で斜めに走った線が垂直に交差しています。これは、人がお辞儀をしている様子を表しており、江戸小紋において柄の意味も「礼を尽くす」というものです。

この角度でのお辞儀は丁寧な礼の姿であり、折り目正しい、礼儀正しいという印象を与えられます。江戸小紋の角通しに比べると軟らかい印象になりますので、女性が着用してもしっくりなじみます。

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