【修復が価値を生む】室町時代から続く「金継ぎ」のやり方と魅力

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金継ぎの種類

金継ぎの技法の種類をご紹介していきます。金継ぎの技法は、いくつか種類があります。それぞれ用途によって技法や使う材料が異なっているのが特徴です。

磨き金仕上げ

磨き金仕上げは、金継ぎの中でも一番高価な技法です。研磨用の洗い24金の純金の金粉を使うことで、金独特の深みがある輝きを出すことでき、とても美しい仕上がりになります。長く残したいものや、じっくりと眺めたい器と言った高価なものに使用される技法になります。

消し金仕上げ

消し金仕上げは、蒔絵の技術を陶器の修復に使用した技法です。蒔絵で使用される一番細かい金粉を用います。同じ純金の粉ですが、磨き金仕上げより、金の輝きが少し鈍くなったような仕上げになります。鑑賞用以外にも、実用品にも使えます。しかし、磨き金仕上げより若干耐久性が劣ります。比較的安価に修復できる技法です。

石目地仕上げ

破損した陶器で穴があいた場合や、金継ぎを施した後に意匠的に変化を付けたい場合に、この技法を使います。ざらざらとした質感が特徴で、金を沢山使うことで変化を出していきます。

金継ぎの以外の修復法


出典:写真AC

金継ぎ以外にも、陶器を修復する方法があります。銀継ぎや漆仕上げです。

銀継ぎは、金の変わりに銀を使う技法です。銀を使うことで、経年変化によって黒く変色して、銀の味わいを出すことが可能になります。

漆仕上げは、濃い色や暗い色の陶器に使う技法です。金を使うこともできますが、漆で仕上げることで、より金を目立たせない仕上がりになります。金を使わないので安価でできることと、漆で仕上げるので耐久性がよく長く使えます。

次のページでは、金継ぎの耐久性をご紹介します。

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