はじめに
神社で参拝する人は多いですが、正しい作法で参拝できている人は、意外と少ないものです。 参道の真ん中を歩いたり、おみくじを神社の樹木に結んだりしていませんか?
神さまにお願いしたいことがあるなら、作法を守ってお願いした方が、神さまにも自分にも気持ちの良いものになります。 神社参拝の作法を憶えておけば、自信をもって神社に出かけられます。
今回は神社を参拝する際の、基本作法と注意点をご紹介します。
神社を参拝する際の基本作法
神社への入り方
出典:ぱくたそ
神社の入り口には鳥居が設けられています。 鳥居とは神域と人間世界を分けている結界のこと。
鳥居から先が神域であることを示します。 鳥居が複数ある場合は、神社の一番外側にある「一の鳥居」から通ります。 「一の鳥居」から歩き始めて、神社に近づくにつれて「二の鳥居」「三の鳥居」となっています。
鳥居を通る時は、一揖(いちゆう)と呼ばれるおじぎをします。 一揖とは、軽く会釈するくらいのおじぎです。
神域は神さまが住んでいる家のようなものです。「神さまのお家にお邪魔させていただく」と考えると、自然に一揖できるかもしれません。
神社を参拝する際の基本作法
手水(ちょうず)の手順
出典:ぱくたそ
神社に正式に参拝する時は、禊や精進潔斎を行います。
現代人の生活では、禊や精進潔斎を行うのは難しいため、手水舎(てみずや)で身を清めます。
1.右手で柄杓を持って、水を汲んで、左手を清めます。
2.柄杓を右手から左手に持ち替えて、右手を清めます。
3.柄杓を左手から右手に持ち替え、左の手に水を受けて、その水で口をすすぎます。
4.口をすすぎ終わったら、もう一度左手をすすぎます。
5.柄杓を立てて、柄杓に残った水で、柄杓の柄をすすぎます。
6.柄杓をもとの位置にもどして終わりです。
手水舎の作法には、外界の汚れを落とすという意味もあります。 これから神さまにお会いするために、気持ちを落ち着けるための場所です。
神社を参拝する際の基本作法
神社での参拝方法
出典:ぱくたそ
神社で参拝する時は、二礼二拍手一礼を行います。 作法に慣れていないと戸惑いますが、順番通りにゆっくりやれば大丈夫です。
1.神前で姿勢を正します。
2.姿勢はまっすぐなまま、腰だけを90度に折って、深くおじぎをします。 このおじぎを2回くり返すのが「二礼」です。
3.胸の前で両手を合わせます。右の指先を少し下にずらします。 いったん両手をはなして、拍手を2回打つのが「二拍手」です。
4.最後にもう一度、1と同じ深いおじぎをして、「一礼」を行います。
ここまでを行うのが、二礼二拍手一礼です。 二礼二拍手一礼は、明治時代に全国の神社の参拝を統一するために作られた作法です。
それまで神社の柏手の数は、神社によって四拍や八拍があったり、いろいろでした。 出雲大社など一部の神社では、平成の今でも二礼四拍手一礼が行われています。
神社を参拝する際の基本作法
神社参拝の作法の例外
出雲大社や宇佐神宮などでは、二礼四拍手一礼を行います。 それぞれの神社だけの、例外的な参拝の作法です。
1.二礼二拍手一礼の時と同じように、神前で姿勢を正すところから始めます。
2.姿勢はまっすぐなまま、腰だけを90度に折って、2回深くおじぎをします。 ここまでは、二礼二拍手一礼の時と同じです。
3.柏手を4回打つと、「四拍手」になります。
4.最後にもう一度、深いおじぎをします。 ここまでが、二礼四拍手一礼の作法です。
出雲大社の四拍手の由来には、2つの説があります。 1つは、幸せのシを意味するという説。 もう1つは、神の魂には、和魂・荒魂・奇魂・幸魂の4種類があるため、4つの魂それぞれに向かって柏手を打っているという説です。