「お伊勢さん」の名で親しまれる伊勢神宮を筆頭に、魅力的な観光名所が点在する三重県の伊勢志摩エリア。豊かな海に恵まれ、新鮮な魚介が味わえるグルメスポットとしても人気を集めています。
今回は、伊勢志摩エリアを訪れたら必食!の名物グルメのなかから、郷土料理「手こね寿司」をピックアップ。おうちでも簡単に再現できるおいしいレシピとともに、詳しくご紹介していきたいと思います。
「手こね寿司」ってどんなもの?
三重を代表する郷土料理「手こね寿司」。カツオやマグロなどの魚を醤油ダレに漬け込み、酢飯にのせたり混ぜたりしていただく郷土寿司です。
その昔、漁師が釣り上げたばかりの魚を船上でさばき、ごはんに混ぜて食べていたのが始まりといわれています。今では、家庭でのお祝いごとやおもてなしの際に登場したり、看板メニューとして多くの飲食店で提供されたりと、名物グルメとして愛されています。
手こね寿司に使われる魚
地域によって、材料や作り方、寿司飯のアレンジなどスタイルはさまざま。スタンダードなものでは、カツオやマグロなどの切り身を使います。赤身のヅケは彩りがよく華やかに仕上がりますが、新鮮な魚介であればなんでもOK。三重県内では、カツオやマグロのほか、ブリもよく使われるそう。旬の魚をたっぷりの薬味とともにいただく、ちょっぴり贅沢な料理です。
カツオでつくる「手こね寿司」レシピを大公開!
〔材料(作りやすい分量)〕
カツオ(刺身用さく) 200g
寿司飯 1合分
〔漬け汁〕
醤油 大さじ2
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
しょうが(すりおろし) 小さじ1
〔トッピング用の薬味〕
大葉(千切り) 5枚分
ごま 適量
ねぎ(みじん切り) 適量
みょうが(みじん切り) 適量
しょうが(みじん切り) 適量
かいわれ(2cmにカット) 適量
刻み海苔 適量
〔作り方〕
1.カツオを食べやすい大きさにカットする。
2.容器に漬け汁の材料をすべて入れて混ぜ、カツオがまんべんなく漬かるように並べる。冷蔵庫にうつして15分ほどなじませる。
3.寿司飯にカツオ(1/3の分量)と漬け汁少々を加えて、軽く混ぜ合わせる。
4.3を器に盛りつけ、残りのカツオを並べる。
5.カツオがすべて隠れてしまわないように、薬味をバランスよくトッピングする。
おいしい寿司飯の作り方
〔材料(作りやすい分量)〕
ごはん 1合分
米酢 大さじ1弱
きび砂糖(普通の砂糖でもOK) 大さじ1と1/2
塩 小さじ1
大葉(千切り) 少々
ごま 少々
〔作り方〕
1.小鍋に米酢、きび砂糖、塩を入れて、きび砂糖が溶けるまで軽くあたためる。そのまま冷ましておく。
2.ボウルにごはんを入れて1を混ぜ合わせ、人肌に冷ます。
3.2に大葉とごまを加えて、軽く混ぜ合わせる。
盛りつけのポイント
新鮮な魚のおいしさをさらに引き立ててくれる薬味が、盛りつけのポイント。大葉や小ねぎなどの葉物だけでなく、みょうがやしょうが、かいわれなどさまざまな色のものを用意すれば、見た目にも華やかになります。
また、お祝いやおもてなしの際にはぜひ、ドーンとおひつや大皿に盛り付けてテーブルに運びましょう。ゲストにも「わあ、豪華!」と喜んでもらえそう。少人数での食事なら、お茶碗や深皿などに少しずつ盛って、上品に仕上げるのがおすすめです。
家庭で簡単に、粋な郷土料理 手こね寿司を
魚を切ってタレに漬けるだけの手軽さなのに、とびきりおいしい手こね寿司。ちらし寿司のような感覚で、いつもの食卓に取り入れることができそうです。ちなみに、これからの時期に旬を迎える「戻りカツオ」は、「初ガツオ」に比べて脂がのっているため、手こね寿司にもうってつけ。ぜひ試してみてくださいね。
文・写真/ゆさ みずあ