国貞と国芳|江戸時代を代表する浮世絵師のライバル関係とは

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国貞


出典:パブリックドメインQ

歌川国貞は浮世絵師随一とも言われるほど、数万点の作品を世に残した有名な浮世絵師です。同門の国芳よりも11歳年上です。

当時は国芳、広重を抑え人気ナンバーワンを誇っていました。22歳という若さでデビューし、79歳で亡くなるまで浮世絵を書き続けた大御所です。まさに出世街道をひた走った浮世絵師ですね。

歌舞伎の舞台や吉原、美しい女性の美人画、当時の風俗など江戸時代の全てを描きました。毎月上演される歌舞伎や吉原で有名な遊女を描き、雑誌やテレビがなかったこの時代の今を、浮世絵で世間に伝えていました。

歌舞伎役者の絵をカッコよく描く役者絵は当時ではいわゆるブロマイドです。浮世絵とは思えないポップなタッチで描かれているものもあります。役者絵や美人画という浮世絵の王道以外にも、数は少ないですが風景画も書いています。

国貞の代表作・当世三十弐相 よくうれ相

国貞の代表作に「当世三十弐相 よくうれ相」という作品があります。

想い人からの恋文を読む美しい女性の絵です。男からの手紙に良からぬことが書いてあり、嫉妬からか、怒りからなのか、クシャッと手紙を噛んでいる様子です。

手紙を握りしめる手には力が入っているように見えます。女性が着ている着物は当時おしゃれだといわれていました。かんざしや口紅の色、着物の色や柄など、ファッション雑誌を思わせる美人画です。

国貞の役者絵・稲瀬川勢揃いの場

国貞の役者絵で有名なものは白浪五人男としても知られている歌舞伎の演目「青砥稿花紅彩画」の一幕を題材に描かれた役者絵「稲瀬川勢揃いの場」です。

白浪五人男として看板役者だった5代目尾上菊五郎がこの題材で描いた国貞の絵を見てとても気に入りました。芝居に取り入れるほどだったと言われています。

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