伊能忠敬の地図はどう作られた?驚くべきその正確さとは

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日本地図を作った伊能忠敬とは


出典:写真AC

伊能忠敬は日本の偉人の一人であり、精密な日本地図を作ったことで有名な人物です。

また、伊能忠敬が測量を学んだのは、かなり晩年になってからであり、まさに大器晩成を体現する人物としても有名です。

元々伊能忠敬は、名主の家に生まれ、奉行所からも一目置かれるような人物であり、隠居願いが優秀なので何回も却下されるほど有能な人でした。

いざ50歳で江戸に行き、暦学と天文学、測量などを学びました。そして伊能忠敬が素晴らしいのは、19歳年下の高橋至時に弟子入りして、どんな場でも師弟の礼を守ったとされています。

年上が偉い、という儒学の影響を強く受けていた当時において、非常に謙虚、誠実な態度であり、学ぶ姿勢と共に伊能忠敬は高く評価されて、最終的に日本地図を作る人として選ばれた、ということです。

実は最初に測量を始めるときのリーダーは当然、師である高橋至時であり、伊能忠敬は随員の一人だったのです。但し、測量の能力、学識、財力なども含めて、高齢が懸念されつつも外せない人材である、という高い評価を受けていたことは確かです。

伊能忠敬はなぜ地図作り(測量)を始めたのか


出典:写真AC

伊能忠敬が測量を始めた理由というのは、学んだ学問の一つであった、ということであり、元々は名主であり、土地の測量などの最低限の知識があったから、というのも一つになります。

そして江戸に出て暦学を学ぶことによって、付随して測量の知識も、となったわけです。肝心の日本地図を作る、ということの理由ですが、暦学のほうで正確なことが当時の測量地図ではわからなかったからです。

暦をより正確な物とするためには、地球の大きさから、日本各地の経度・緯度がわからないと作れない、ということに気づいたのです。よって日本の正確な形を知りたい、ということがメインではなく、あくまで暦の算出のために日本の正確な地図が必要であった、ということが実は動機になっています。

折しも、当時、北方から帝政ロシアの圧力が強まっており、蝦夷地(現・北海道)の地図を作り、備えておこうということになり、それに名乗りを挙げたのです。当初、船で一気に北に行く計画が幕府側から提示されたのですが、それでも蝦夷まで行く途中の測量ができない、ということで陸路を提案しています。

ですから、よくある認識としてまず蝦夷地の測量を任されたから日本地図を作る切欠になった、というのは間違いであり、元々、暦を作るために地図が作りたい状態だった時に、丁度良く蝦夷の測量の機会があったので、それに乗ったと言うのが真実になります。

最終的には幕府の命令として日本地図を作るに至るわけですし、命令があったからというのは確かなのですが本人としては始めの作りたいと考えた切欠は間違いなく、正確な暦のため、となっています。

伊能忠敬はどのようにして地図を作ったのか


出典:写真AC

伊能忠敬の測量方法は決して先進的でも画期的なものでもなく、当時としても普通に行われていたものではありました。

目印と目印の間の距離を歩いて測るというものであり、当然、徒歩になりますから、1歩を正確に69cmで歩くという訓練をして、ほぼ正確にその歩幅で歩くことをひたすらに繰り返したわけです。

距離と方角の測量をただただ繰り返して正確な地図を作ったわけです。その距離は4万kmを少なくとも超えており、これは地球一周分に相当するのです。老齢の伊能忠敬がそれだけの距離を歩いて日本地図を作った、ということがまさに偉人と称えられる理由でもあるのです。

伊能忠敬が作る前の地図

行基図

そもそも伊能忠敬が作る前にはどんな地図を使っていたのか、ということになりますがその一つが行基図と呼ばれるものです。これはあくまで一説ですが奈良時代の行基という人物が作ったとされている地図です。

ただし、あくまで今現在も含めて行基図が元になったとされている地図はあるのですが、当時のものが現存していないので、元がどんな形であったのかというのは不明です。

しかし、この地図が後々まで日本地図の原型となっており、大よそ日本の形に見えるようにはなっていました。

ちなみに、蝦夷地(北海道)はないタイプの地図になります。

改正日本輿地路程全図

伊能忠敬以前の日本地図としては、改正日本輿地路程全図も有名なものになります。

これは長久保赤水という人が作ったものであり、漢学者・詩人でもあった赤水は地理学にも傾倒しており、この地図は後に「赤水図」と呼ばれて旅人たちなどに愛されました。

伊能忠敬が作った物は通称「伊能図」とも言うのですが、長く国家機密であったので江戸時代で最も有名であったのは、広く普及した赤水図のほうになります。

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