【信楽焼・江戸切子・漆器・鉄器】魅力ある日本の物作り6選

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日本には伝統工芸品を含め、さまざまな物作りの文化が存在します。

しかし現代に生きる私たちは、それらの半分もまともに知らずに過ごしているのが現状です。温故知新という言葉のある通り、伝統的な物作りには現代に活かせる、粋な工夫や技術が盛り込まれているものです。

暮らしを豊かにしてくれる、日本の伝統的な物作りを紹介します。

日本の伝統的な物作り①陶器


出典:写真AC

日本の伝統的な物作りの代表格は陶器です。

日本で陶器が作られ始めたのは約一万年以上前だと言われています。牧畜生活が始まったと同時に、作物を調理したり、保存したりするために土器がつくられました。弥生土器や縄文土器などはよく聞きますよね。これらが日本の物作りのひとつである陶器の原点となりました。

年月を重ねて、外国の文化なども取り入れられ、いまの日本の陶器に至ります。信楽焼などは特に有名です。滋賀県甲賀市を中心として作られており、付近の丘陵から陶土が出るので有名。伝統的な技術を用いて現代に伝えられる「日本六古窯」のひとつでもあります。

信楽焼の特徴は陶土の中の鉄分が赤く色づく火色や、窯の中で焼くときに灰が舞い上がり付着するビードロ釉など、炎が作り上げる独特な焼き上がりです。

灰釉以外にも、植木鉢や火鉢に多く見られるなまこ釉もあります。大物作りにも適し、細工しやすい粘り気があることから小物作りにも適しています。

日本の伝統的な物作り②ガラス


出典:写真AC

日本でガラスが発見されたのは弥生時代と言われています。弥生時代から続く古墳時代の遺跡からは各地でまが玉が多く発見されるようになりました。

これらの多くは海外からの輸入品と一般的には考えられています。飛鳥奈良時代にはガラスの原料が作られるようになり、たくさんのガラス製品が普及しました。

手の込んだ器などは海外より輸入したものですが、まが玉などは日本で作られていました。その後、フランシスコ・ザビエルが来日したと同時にガラスの器が日本にも伝えられ、位の高い人への贈り物として認められました。

1700年ごろ来日したイタリア人宣教師シドッチにより、日本でもガラス製品が商品化されるようになりました。これによりガラス製品が江戸、京都、長崎へと広がっていきました。

日本のガラスの物作りのひとつに、江戸切子があります。これは江戸時代末期から栄えたカットグラス工法という手法を用いたガラス工芸で、国の伝統工品芸にも指定されています。無色透明なガラスに模様を入れることで華やかで独特な模様を刻むことができます。

有名なものに魚子紋という模様があります。細かな線がたくさん入っており、近くで見ると小さな四角形が並んでいます。これが魚の卵に見えることからこの名前がつきました。他にも菊つなぎ紋や麻の葉紋など植物をモチーフにしたデザインもあります。長い歴史のあるガラスは、日本の伝統的な物作りとして今に伝えられています。

日本の伝統的な物作り③漆器


出典:写真AC

 伝統的な日本の漆器に会津漆器があります。福島県の会津地方に伝わる物作りで、国に指定されている伝統工芸品のひとつです。16世紀後半に当時の領主だった蒲生氏郷が会津漆器の基礎を作り上げました。

1630年ごろになると江戸からの需要も増え、瞬く間に大規模な産業に発展していきました。

その後中国やオランダにも輸出されるようになり、400年以上の歴史を経て、現代に伝えられています。 様々な技法がありますが、そのひとつに花塗があります。上塗りを行ったあと研磨をせずに仕上げるという技法です。

また変り塗という技法もユニークです。タンパク質を加え通常よりも粘度を高くした漆を塗り、模様をつけ凹凸に塗り重ねたあと研いで仕上げます。会津絵は松竹梅に破魔矢・糸車を配する伝統的な図法です。

その他にも錦絵、朱磨、鉄錆塗があります。レンジや食洗機でも使用できるような新しい漆器も誕生しています。日本の物作りの伝統を残しつつ、現代にあった商品も開発しているのです。

日本の伝統的な物作り④鉄器


出典:写真AC

鉄器は弥生時代に、青銅器とほぼ同時に流入しています。鉄器の原料である砂鉄や鉄鉱石は、青銅器の原料の銅鉱石、スズ鉱石に比べると簡単に入手することができました。そのため鉄器製造が普及すると世界の各地でその土地のそれぞれの原料によって作られるようになりました。

現在で有名な鉄器を上げるとすると南部鉄器です。岩手県の盛岡市と水沢市を中心として盛んに作られています。昭和50年に国の伝統工芸品に指定されました。鉄器には様々な種類がありますが、その中でも南部鉄器は手作りのものが多く、その高い技術が評価されています。

急須や鍋、鉄板などのキッチンウェアから、夏場に活躍する風鈴など幅広い商品が作られています。特に風鈴はガラス製のものが出す衝突音とは違い、風に溶け消えるような、芯から響く美しい音色が涼をもたらします。夏場にぴったり、日本の物作りを身近に感じることができますよ。

日本の伝統的な物作り⑤和紙


出典:写真AC

富山県で生産される越中和紙は、国の伝統工芸品に指定されているブランド和紙です。売薬とともに発展してきました。光沢のあるオリジナル紙の鳥の子紙、合羽紙、傘紙、薬袋紙など厚手の紙の総称である山田紙など、ほとんどが売薬関係です。

強度が高いため、障子や書道に用いられます。歴史は古く、奈良時代に書かれた正倉院文書にも記載されています。また平安時代の律令の細則である延喜式にも租税として越中和紙を納めていたという記載があります。薬用として使われるようになったのは江戸時代からです。

日本の和紙はもともと、書き物として伝わりました。国家から貴族、武士、町人という順番で、1000年以上の月日をかけて伝わっていきました。分厚く丈夫な和紙は贈り物としても喜ばれ、貴重品でした。明治時代になると西洋の紙が伝わってきました。和紙は手漉きだったので、機械で大量生産される洋紙の需要が高まりました。

その後戦争が起こり、終わる頃には後継者不足という問題が待ち構えていました。現在でも、手漉きで和紙を作る職人は多くありません。それでも物作りの伝統を伝えていこうと、職人たちは日々奮闘しています。

日本の伝統的な物作り⑥織物


出典:写真AC

日本の織物の歴史は古く、石器時代にまで遡ります。長い年月を経て、着物以外の物も作られながら、日本の伝統的な物作りとして伝えられてきました。

中でも伊勢崎絣は群馬県で作られているブランド織物で、国の伝統工芸品に指定されています。伊勢崎銘仙とも呼ばれており、太織という繭から引き出した生糸を使った織物です。本来は、農家が自分たちの家用に作っていたものでした。

江戸時代の中期になるとそのベースが築かれ、おしゃれで丈夫であるという理由から庶民の間で人気の織物になっていきました。その人気はとどまることを知らず、江戸や大阪、京都にまでも出荷するほどに発展していきました。

現代では、テーブルクロスやネクタイ、のれんなど、着物以外のものも作られており、日本の物作りを現代に伝えるための工夫がされています。

日本の物作りの魅力

いかがでしたか。日本には本当にさまざまな物作りがありますね。

これらが現代にも親しまれ、伝えられているのは、昔ながらの技法を守りつつ、現代に合わせた新しい商品を開発しているからです。身近に感じることができ、暮らしと地続きになっている伝統工芸品は、かびくさい文化などではなく生活の一部として将来にも伝えられやすくなります

反面、どの伝統工芸にとっても深刻なのが後継者不足という問題です。まず私たち自身が日本の物作りの素晴らしさを知り、ここで紹介した以外の伝統工芸品にも若者が興味を持てるようにする必要があります。

日本の物作りの素晴らしい魅力を、この先の未来にもずっと伝えていけるようにしていきたいですね。

 

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