鷹匠とは
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鷹匠は、江戸時代には既に存在していた仕事で、鷹を飼育し、訓練を行うプロフェッショナルのことを指しています。
かつては鷹を飼い慣らして狩りをさせるのが仕事でした。しかし、現在は時代の変化に伴い、鷹匠の仕事は狩猟目的の飼育ではなく、様々なイベントに出演するなど、エンターテイメント性が強くなっています。
鷹匠の仕事
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鷹匠の仕事は、基本的には鷹を飼育し、訓練をすることです。名前の通りの鷹はもちろんのこと、ハヤブサをはじめとした猛禽(もうきん)類全般を担当することも多くなっています。鷹を放つ様子を披露することや、体験型のイベントでは、一般人に鷹匠体験をさせることもあります。
また、近年ではカラスやハトなどの害鳥駆除としても、鷹匠が活躍するケースが増えています。猛禽類は、鳥類に対して、とても高いけん制効果を持っているため、糞害や、バードストライク対策として、鷹匠に依頼が来る仕組みになっているのです。
鷹匠の年収
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前述したように、近年の鷹匠はかつてのように獲物を狩って、生計を立てることはほとんど不可能となっています。そのため、収入は鷹匠としてイベントに出演したギャラが基本です。
また、前述の害鳥駆除による報酬も増加しています。その合計は、年間平均で100万円を超えればいい方だそうです。そのため、多くの鷹匠はあくまで副業として鷹匠をしていることが多くなっています。別の仕事の幅は広く、合計の年収平均は割り出すことが難しいです。
鷹を飼うための規模の大きい鳥小屋や、安定した餌の確保、日常的な世話や訓練をする環境が必要になるためです。 基本的には、動物園の飼育員や、ペットショップのスタッフ、動物病院や研究施設の獣医などが、鷹匠を兼任しているケースが多いです。
そのため、鷹匠としての雇用形態は、基本的に業務単位の発注となり、アルバイト制も多いものの、全体的には正社員として働いている人が多い傾向にあります。
鷹匠になるメリット、デメリット
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鷹匠の仕事の大きなメリットは、普段なかなか触れ合うことが出来ない鷹などの猛禽類と、パートナー関係を築けることにあるでしょう。警戒心の強い生き物であるため、飼育にやりがいを感じる人にとっては大きな達成感を味わえるという魅力もあります。
また、鷹匠は日本に古くから存在している仕事でもあります。現在は伝統文化としての価値が強いため、形式を重んじる重要なイベントに招待されることもあります。鷹匠は歴史を守る重要な立ち位置を担うことが出来ます。
一方で鷹匠に限って働くことは、困難もあります。収入も安定しにくいですし、日々の訓練や、飼育環境を考えると、負担が大きいものです。生き物との関係を構築するため、マニュアル通りに仕事が進まず、大きな壁にぶつかってしまうことも多い、リスクのある仕事でもあるでしょう。
鷹匠に向いている人、向いていない人
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鷹匠は、イベントなどで目にすると、スポットライトを浴びるような派手な仕事です。しかし、実際の鷹匠はとにかく訓練が重要です。鷹をはじめ、猛禽類は鳥類の中でも賢い部類に入りますが、それでも決して簡単ではありません。
イベントでも思い通りの動きをしてもらえるよう、根気強く訓練に取り組める人ほど鷹匠に向いています。
また、猛禽類はとてもデリケートな生き物です。責任感を持ち、慎重に取り扱える人でなければ、鷹匠になることは難しいかもしれません。鷹匠になるには、生き物に対する誠実な性格を持っていないといけないでしょう。