独特の舌触りを楽しめる松山の郷土菓子「醤油餅」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「醤油餅」は、愛媛県松山市で古くから親しまれている郷土菓子です。ういろうに似た味わいをしていますが、「醤油」を入れるのがポイント。原料は米粉と醤油です。

今回は、その松山の郷土菓子「醤油餅」、そして、松山にある「醤油餅」で有名な老舗菓子店「白石本舗」をご紹介します。

松山の郷土菓子「醤油餅」の特徴

醤油餅といっても、白いお餅に醤油をつけて食べるものとは違い、いわゆる磯辺焼きのようなものではありません。上新粉(米粉)に醤油と砂糖を入れて丸めて蒸したお菓子で、しょうがなどの風味付けがなされています。

もともとは茶色ですが、現在は白やピンクなどの色がついているものも販売されており、それぞれ風味が違います。ぷるぷるとした弾力で食感は「ういろう」のよう。固くなってしまったら、トースターなどで少し焼くとふっくらしておいしくいただけます。

江戸時代の松山にさかのぼる「醤油餅」の起源

醤油餅の起源は、江戸時代初期に松山藩初代藩主の久松定勝が、桃の節句の際に家臣に配ったのがのが始まりと言われています。その後、ひなまつりに各家庭で作られるようになり、元禄期にはお雛様にお供えするものになりました。

かつては家庭で作られるものでしたが、現代では、お土産として五色の色をつけた醤油餅が売られるようになりました。

「醤油餅」の作り方をご紹介

・材料

上新粉 

さとう 

塩 

熱湯 

醤油 

しょうがの絞り汁 

1.上新粉、さとう、塩を混ぜ熱湯を入れて混ぜ合わせる。

2.濡れ布巾をしいた蒸し器で、4等分し20分ほど蒸す。

3.ボールにまとめ、醤油、しょうがの絞り汁を加えてすりこぎでつく。冷めたら手でよくまぜる。

4.小さく分けて小判型などに形を整える。箸で筋をつけてもいい。

5.濡れ布巾をしいた蒸し器で8分蒸して出来上がり。固くなったらトースターで焼くとふっくらする。

松山にある「醤油餅」の老舗白石本舗

松山のお土産店、お菓子店では「醤油餅」は定番で必ず並んでおり、お店によって味や形が異なっています。その中でも、醤油餅専門店として松山で有名なのが住宅街にひっそりと建っている「白石本舗」。

このお店では、初代である白石ハナさんが、家庭でつくった醤油餅にあんこを入れて売り出したのが評判になり、醤油餅専門店「白石本舗」を開業しました。創業は明治16年と、長い歴史を持っています。

白石本舗では、昔ながらの手作りの製法を守って、醤油餅も一つ一つ手作りしています。

手作りをすることによって、季節や日によって違う気温や温度差に対応して、その日に応じた粉や水分量に調整して最高の状態の醤油餅を提供できるように心を込めて作られています。

醤油餅はあん入りと「すや」というあんなしの二種類あります。

「すや」は、醤油(茶色)・抹茶(緑)・ゆず(黄色)・梅(ピンク)・白(しょうが)の5種類。元祖のあん入りは、丸型で、醤油・ゆず・抹茶の3種類です。

バラ売りやパック売りもありますし、贈答用に箱詰めされた醤油餅もあります。また、お取り寄せすることも可能です。

白石本舗

http://shiraishi-honpo.com/

どこか懐かしさを感じる松山の郷土料理「醤油餅」の味

今回は、松山の郷土料理の「醤油餅」をご紹介しました。松山に立ち寄られた際には、お土産にぜひ醤油餅をお求めになってはいかがでしょうか。

独特の風味と舌触りで食べたことのない不思議な味ですが、どこか懐かしさも感じます。そんな醤油餅、機会があればぜひお試しください。

文・写真/あかつき

  • このエントリーをはてなブックマークに追加