京扇子とは何か|京扇子の魅力や種類、職人のこだわりを解説

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京都の伝統工芸品「京扇子」

日本の伝統工芸品は世界でも高い評価を受けています。

中でも、京都の伝統工芸品は緻密なデザインや高い品質で大変人気があります。

そして、京都の伝統工芸品の1つである京扇子は、ひとつひとつ職人の手によって作られています。今回は、そんな京扇子の魅力と、それを手がける京扇子職人に迫っていきたいと思います。

京扇子とは何か

京都やその近郊で作られた扇子を京扇子と呼びます。

この「京扇子」は京都扇子団扇商工協同組合に登録されている組合員のみが使用できる商標です。

扇作りは平安時代に始まり、当時は檜扇というヒノキの板を連ねて作られた扇子でした。そこから現在流通している紙扇子へと発展し、国内だけでなく中国やヨーロッパなどにも輸出されていきました。

主な京扇子の種類

主な京扇子の種類①「夏扇」

出典:株式会社 とくの

涼を取るための京扇子。一般的に使われているのはこの種類です。淡い色合いから目を引くようなモダンな柄まで様々なものがあります。

開け閉めする時には職人の手にかけられた扇子ならではの滑らかさを感じることができます。

主な京扇子の種類②「舞扇」

出典:株式会社 とくの

舞踊全般に使われる京扇子です。各流派の紋が入ったものや踊りの演目に合わせたものなどがあります。舞踊用なので仕舞扇よりは格式高いものや優雅なデザインのものが多く、色味にも職人のこだわりが感じられます。

主な京扇子の種類③「茶扇」

出典:扇子司 伊藤常

お茶席で使用する京扇子。挨拶の時などに膝前において結界に見立てます。夏扇より少し小さく、開いて使用することは少ないためシンプルなデザインのものが多い印象です。

しかし、中には遊び心溢れる茶扇もあるので探し始めると楽しいです。

主な京扇子の種類④「絹扇」

出典:株式会社 とくの

ヨーロッパから逆輸入された京扇子。西洋風なので現代でも気軽に持ちやすいです。絹製なので、透け感が涼しげで人気が高いです。洋服にも合わせやすい点が魅力的です。

主な京扇子の種類⑤「祝儀扇」

出典:株式会社 山武扇舗

結婚式などのお祝い事の際に持つ京扇子。絵柄によって使えるシチュエーションが異なってきます。扇子はその末広がりの形から縁起物とされているため、祝いの場でのプレゼントにも最適です。

主な京扇子の種類⑥「仕舞扇」

出典:株式会社 山武扇舗

能楽用の舞扇子。豪華絢爛なものが多く、家の飾りとしても使えます。金地にあしらわれた花々や松の絵などは、見る者を惹き込む美しさを放っています。

京扇子職人の世界

京扇子の製作工程を大まかに分けると、扇子の持ち手の部分を作る扇骨加工、紙の作成から絵付けをしてそれに折り目をつける地紙加工、扇骨と地紙をくっつける仕上げ加工に分けられますが、実際はもっと細かく分かれており、その工程数はなんと80以上にものぼります。

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