海と山の幸が味わえる福島の郷土料理「いかにんじん」のレシピ

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福島県は「東北の背骨」ともいわれる奥羽山脈と、阿武隈(あぶくま)高地が貫く、広大で山と海の幸に恵まれた土地です。それだけ広く、集落と集落が離れていることから、福島の中でも地域によって食や文化の違いがあることが特徴的です。

今回は、海の幸と山の幸が両方味わえる福島県の北部の郷土料理「いかにんじん」をご紹介します!

福島の郷土料理「いかにんじん」とは

「いかにんじん」という食材と食材の名前だけでできている料理名の通り、いかとにんじんが主な材料です。細く切ったスルメとにんじんを甘めの醤油ダレで漬け込んだ、おつまみにもおかずにもピッタリのお惣菜(漬物)です。福島には日本酒の酒蔵が多いように、日本酒のアテにも最高な味付けではないでしょうか。

福島県北部の家庭では、古くから冬の保存食として親しまれてきた常備菜です。お正月の食卓にも登場するというほど、土地になじみ深い料理なのです。

北海道に「松前漬け」という、カズノコと昆布等を漬け込んだ珍味があるのですが、いかにんじんはその松前漬けのルーツであるとも言われています。

福島の郷土料理「いかにんじん」の簡単レシピをご紹介!

〔材料(Lサイズのジップロック1/3に収まるくらい)〕

ニンジン        大3本

するめ(胴体のみ)   小3枚

昆布          10㎝×10㎝(薄い昆布で十分)

〇しょうゆ       80cc

〇みりん        40cc

〇酒          40cc

〇砂糖         大さじ1.5~2(甘めが好きな方は2)

〇酢          大さじ1

ごま          お好みで大さじ1~2

スルメや昆布はあらかじめ細く切って販売されているものもあるので、既に切ってある食材を使っても良いです。

スーパーやコンビニのおつまみコーナーや駄菓子コーナーに置いている「イカソーメン」で代用しても出汁が染み出て美味しく出来上がりますよ!(化学調味料や甘みが添加されているので、調味料は調節してみてください。)

ハサミを使って乾物を切ると手が痛くなる場合があるので、軍手を着用してみると予防になります。

「いかにんじん」レシピのポイント

〔作り方〕

1.するめをキッチンバサミで4~5㎝の長さに細く切る。するめが裂ける方向に切ると切りやすい。固い場合はさっと炙ると切りやすい。

2.昆布も細長く切る。切り昆布を使用してもOK。(今回は切り昆布を使用しました)

粘りの少ない薄い昆布の方が扱いやすい。

3.ニンジンの皮を剥き、4~5㎝の長さの千切りにする。ジップロックや保存容器に入れる。

4.小鍋に〇の材料を入れ、煮切る。(沸騰させてアルコールを飛ばす)

5.4をニンジンとするめと昆布と合わせ、冷蔵庫で保存し味が染みるまで寝かせる。

6.お好みでごまを一緒に漬け込んでも良し、漬かった後に仕上げにふりかけても良し。

 

4の煮切り作業は、それほど神経質になってアルコールを飛ばさなくても大丈夫です。ポコッと少し煮立ったところで火を止めれば、漬けたいかにんじんにはアルコールが移りません。

シンプルな材料ではありますが、スルメは何かと高級食材ですよね。なかなか思うようにスルメが手に入らない場合はスルメの量を少なくしても大丈夫です。少量でもイカの出汁は出ますし、福島県民の中でも「スルメは高級品だから、うちのいかにんじんにはスルメが少ししか入ってなかった!」という家庭もあるそうです。

「いかにんじん」は漬け汁も有効活用できる

いかにんじんが漬かった後の漬け汁は、是非煮物や鍋物の味付けとして再利用してください。昆布といかのエキスがたっぷり染み出しているので、いつもの料理の味をワンランクあげてくれます。漬け込み後2~3日でしっかり味が染みるので、そのあとから漬け汁を料理に使って大丈夫。

漬け汁だけでなく、いかにんじん自体をほかの料理に入れて楽しむこともおすすめです。鍋の具やかき揚げ、炒め物のアクセントとして入れると、ニンジンの赤が生えて奇麗ですよ。

「いかにんじん」は福島の郷土料理として、皆に愛される味

以上、福島県北部で愛される郷土料理「いかにんじん」のご紹介でした。

初めて食べる場合でも、小さいお子さんからお年寄りまで楽しめる味付けです。イカとニンジンを黙々切る作業が必要ですが、家族やお友達とチャレンジすると苦ではないですよ。冬の常備菜として多めに作ってシェアしてみてはいかがでしょうか?

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