日本酒の作り方|こうして出来ている!わかりやすく工程を解説

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今や海外にも人気が広がる日本酒。今回は、日本酒造りの体験と併せて日本酒の伝統的な作り方を詳しく紹介していきます。

日本酒の作り方をチェック


出典:写真AC

日本酒は米・米麹・水を原料に作られます。米麹の酵素を使って米に含まれている”でんぷん”を糖に変え、その糖分をアルコールに変えて炭酸ガスを発生させる「アルコール発酵」によって日本酒が作られます。

また、日本酒は糖化とアルコール発酵を同時に行う珍しい方法で作られ、これによって高いアルコール度数を持つ醸造酒が作れるのです。

日本酒を作る際の主な工程はまず、玄米から精米にして洗米を行います。その後、洗った米を水に浸して中心まで水を吸収させる「浸漬(しんし)」と呼ばれる作業を行います。

次に、米を蒸す蒸米を行っていよいよ麹を作ります。そして醪(もろみ)を作り、発酵させて液体の澄んだ部分のみを濾過(ろか)し加熱していきます。

これらの工程が主な日本酒の製造過程です。では、次に日本酒の作り方について詳しく見ていきましょう。

日本酒の作り方その1「精米」


出典:写真AC

精米とは、玄米を白米にする作業のことをいいます。日本酒で使う米は、私たちが普段食べている白米よりも多く削っているため小さく丸い形になります。

玄米の外側部分には、ビタミンやたんぱく質、脂質が多く含まれており中央にでんぷん質を含んでいます。このたんぱく質が酵母の働きを活性させて香りがあまり良くなかったり雑味を与えてしまうために、たんぱく質部分を削ってでんぷん質のみの米を使用します

しかし、この作業は大変で50%まで削るのに約50時間必要となります。また、日本酒の種類で大吟醸や吟醸など様々なものがありますが、これらは精米の際に削った割合によって異なります。詳しくは以下を参考にしてください。

・大吟醸=50%以下

・吟醸=60%以下

・本醸造=70%以下

日本酒の作り方その2「洗米・浸漬・蒸米」


出典:写真AC

次に、洗米から蒸米までの工程をご紹介します。

日本酒における「洗米」とは、米の表面に残った糠(ぬか)や糖分など汚れを除去するだけでなく洗米時に水分も吸収するために、細心の注意を払って行わなければなりません。

洗米が終わった後は、水に浸して米に水分を含ませていきます。米を水に浸す時間は、米の品種や成分などその米の特徴によって異なります。また、水温が低いほど吸水は遅く、高ければ速くなり、この浸漬によって米の品質が問われると言われるほど重要な作業になります。

そして、浸漬が終わった米を蒸していきます。この作業は蒸米と呼ばれ、酒屋などでは「蒸強」とも呼ばれるそうです。およそ112度の大量の蒸気を使って米を蒸しあげます。

前の工程で水を吸わせることによって米の内側だけを柔らかくすることができます。日本酒製造で使う米は、麹を作るために外側が硬く内側が柔らかいものが良いのです。

日本酒の作り方その3「麹造り」


出典:写真AC

この麹造りは酒作りで最も重要と言える作業になります。麹造りまたは「製麹(せいぎく)」とは、先ほど蒸した米にカビを繁殖させる作業です。

麹菌は環境の変化に敏感なため、室内の温度や湿度などを気にしながら手でほぐし、一晩中つきっきりで作業しなければなりません。

日本酒の作り方その4「酒母造り」


出典:写真AC

蒸した米を使う工程のもう一つが酒母造りになります。蒸米と水、麹、そして酵母を入れて作っていきます。酵母を培養し酒母ができるのですが、作成中に雑菌が入らぬように乳酸菌を用いて防ぎます。

この乳酸菌には、2つ種類があり、1つ目は蔵の中にいる自然的に発生した乳酸菌を取り込み培養したもの。2つ目は、醸造用の人工的なものです。

酒母は、糖質をアルコールに変換する役割を持っています。この酒母がなければ日本酒はできないのです。

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