抜き打ちの例文・使い方
抜き打ちの基本的な用例としては、「抜き打ち検査」などがあげられます。相手が信用できないようなときに多用され、準備をする間も与えられない様子が目に浮かぶと思います。
「生徒指導による抜き打ちの持ち物検査」
皆さんも一度は経験があるのではないでしょうか?
クラスの誰かが無断で持ち込んだものを見つかり、先生は信用できなくなってしまう。このような状況で、ほかの生徒は許可されたもののみを持ち込んでいるのか検査する意味で、「抜き打ち」の持ち物検査をするのでしょう。
そのほかにも、
「飲食店への抜き打ちの衛生検査」
このようなものもあります。食品偽装などが度々世間をにぎわせますが、そのようなことを防ぐため、また起こさせないように、「抜き打ち」の検査を実施することで、理想的な状況を作れるといえるでしょう。
これらのように、準備する隙(すき)を与えられていないことが、抜き打ちの特徴となります。
抜き打ちテストのパラドックス(矛盾)
出典:ウィキメディアコモンズ
このように、抜き打ちで物事を実施するということは、準備するまもなく、いつ実施するかわからないということが分かったかと思います。
ここで、抜き打ちテストのパラドックスと呼ばれる、有名な小話を一つ紹介します。
とある学校で、先生が言いました。
「来週の月曜日から金曜日の間で抜き打ちテストを実施します。いつテストが行われるかは予測できません。」
そこで、ある生徒は考えました。
「先生は、『テストの日を予測できない』と言った。つまり、月曜日から木曜日までに実施されないと、金曜日に実施することがわかってしまうので、金曜日に実施することはできない。
次に、月曜日から水曜日までに実施されないと、木曜日か金曜日のどちらかに実施されることがわかる。金曜日に実施できないことは分かっているので、木曜日に実施されるとわかる。これを繰り返して考えると、来週は抜き打ちテストを実施できないことになる。」
そして、来週の水曜日に先生が言いました。
「予告通り、抜き打ちテストを実施します。」
生徒は言いました。
「私の推測では、今週は抜き打ちテストをできないはずです。」
先生は言いました。
「結果的にテストの日を予測できなかったでしょう。」
結果的に抜き打ちテストは可能だったわけですが、生徒の説明も納得できるような気がしてしまいます。ですが、そもそも「付け焼刃」ではなく、しっかり勉強して挑みたいものです。