漆器(しっき)のお手入れ方法をチェック!|種類・歴史・特徴・体験

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漆器が使われる場面


出典:ウィキメディアコモンズ

敷居が高く、特別な時にだけ使うイメージのある漆器ですが、丈夫で長く使えることや、乾燥に弱いという性質から、是非、普段から使いたいものです。

とはいえ、現代の生活では、陶磁器や合成樹脂の食器が主流だというのが正直なところ。そこで、今回は、特に漆器が便利に使える場面を紹介します。

温かい物を食べるとき

断熱性に優れる漆器は、お味噌汁など熱々のまま頂くものに優れています。ほかの食器では熱くて持てないものも、漆器であれば熱くて持てないということは起こりません。

保温性にも優れているため、料理が冷めにくくなり、長い時間、美味しい状態で食べることが出来ます。

おもてなしや特別な時

漆器には、他の食器と比べ、「割れにくい」という特徴があります。「割れにくい」という縁起の良さから、結婚祝いなどのおめでたい席に相性が良いと考えられており、こうした場面では漆器が選ばれます。

また、高級なものでは、蒔絵などの装飾がついたものもあります。特別感を演出し、食事を一層華やかにしてくれるでしょう。

漆器のお手入れ方法

漆器には、落としたりしても割れにくい丈夫さがあるものの、木地で出来ているため、少し注意して使う必要がありますが、過度に丁寧に扱う必要はありません。漆器を使う上での注意点を幾つか見ていきましょう。

保管場所

棚の中など、暗い場所で保管するとよいでしょう。漆器は、直射日光に含まれる紫外線により、変色・劣化してしまう可能性があります。

洗い方

スポンジの柔らかい面を使い、優しく洗うようにしましょう。洗剤で洗っても大丈夫です。急激な温度変化や乾燥、湿気などにより、木にヒビが入ってしまったり、反ってしまう危険性があるので、食器洗い機や乾燥機は使わないようにしましょう。

よく使う

意外に思われるかもしれませんが、毎日使ってあげることも長持ちさせるために重要です。漆器は過度な乾燥に弱いため、適度に使い、洗うことで、必要な水分が供給される利点があります。

漆器の種類を見てみよう

歴史的な経緯もあり、日本国内様々な場所で生産された漆器には、生産地域ごとに特徴があります。幾つか見ていきましょう。

津軽塗(つがるぬり)

青森県で生産されている津軽塗は、津軽漆器とも呼ばれています。経済産業大臣指定伝統的工芸品にも指定されています。蒔絵などを用いず、漆だけで表現する独特な模様が特徴です。

山中漆器


出典:ウィキメディアコモンズ

山中漆器は、石川県加賀市の山中温泉地区で生産されている漆器で、山中温泉の湯治客相手に土産物として生産していたのが始まりです。

江戸後期に「朱溜塗(しゅためぬり)」と呼ばれる、表層に透明な漆を塗って仕上げた技法が伝わり、1900年代に入ると列車が開通すると原料の調達が容易になるなど、生産技術、量ともに拡大。全国一の生産量を誇っています。

会津漆器(あいづしっき)

会津漆器は、福島県会津地方の漆器で、16世紀後半から生産されている、日本で最も古い歴史のある漆器の一つです。

漆の装飾技法として、多彩な技法が使われているのが特徴で、特に、上塗り後に研磨をせずに仕上げる花塗や、卵黄を加えた漆を塗り、煙草やもみ殻で凹凸をつけ模様を出す変り塗(かわりぬり)などの技法が特徴的です。

紀州漆器(きしゅうしっき)


出典:ウィキメディアコモンズ

紀州漆器は、和歌山県に伝わる漆器で、日常的に使えるようなシンプルさが特徴の漆器で、会津漆器や山中漆器などと同様に、日本三大漆器の一つとして知られています。

戦後には、化学塗料のらっかーをしようしたプラスチック容器を開発するなど、積極的に新しい技術を活用しているのが特徴です。

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