透明水彩を始める方必見!|通常の絵具との違いやその魅力を紹介

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子供時代に学校などで使用した水彩絵具は、透明水彩と不透明水彩の中間に位置する半透明水彩(マット水彩)と呼ばれるもので、不透明水彩に近い使用感だと言われていますが、水彩の絵具は一般的には透明水彩と不透明水彩の二つに大別されると言えるでしょう。

透明水彩はその名のとおり透明性の高い絵具であり、絵具を混ぜたり、塗り重ねたりしで独自の発色を表現することができるのが、特徴だと考えられています。

透明水彩絵具の白は色の上に、塗り重ねても透けてしまいますが、絵具を混ぜる際に白を混ぜることで、不透明感を演出することが可能となり、表現の幅が広くなると言われています。

また水に溶いた透明絵具の濃度で、にじみ感やムラ、ぼかしなど水彩の描画法の特徴を発揮した表現が行えることから水彩画愛好家の間で好んで使われる水彩絵具だと言えるでしょう。

不透明水彩との違い


出典:写真AC

透明水彩絵具の特徴と対極の位置にあるのが、不透明水彩絵具です。透明水彩絵具の特徴である透明性がないため、にじみ感やムラ、ぼかしなどの表現が難しいものの塗りムラができ難い特徴があります。 白も透明水彩絵具のように透けないため、色が強すぎると感じる部分に薄く塗り重ねると、軟らかい発色に調整することができます。

下地の色の影響を受け難い不透明水彩は、色を塗り重ねる際に重ねる色の順番を考える必要がないのが、透明水彩との大きな違いとも言われ、大胆に厚塗りや重ね塗りをすることで、メリハリのあるコントラストの効いた表現ができる絵具だと言えます。

透明水彩を描くために必要なもの


出典:pixabay

透明水彩絵具で描画する際に特別な画材は必要ありません。透明水彩絵具と水、筆と筆洗い用のバケツ、絵具を広げるためのパレット、下描きを行う場合は鉛筆、紙と画板があれば透明水彩絵具で、水彩画の描画を楽しむことができます。

下地の色が透けてしまうのが透明水彩絵具の特徴ですので、紙の選択は透明水彩絵具を用いた描画の際に気をつけるべきポイントだと言えます。

一般的な画材として販売されている画用紙は、ナチュラルホワイトやホワイトをはじめ、様々な色合いが用意されています。作品のイメージに合わせて選んでください。あまり薄手の紙は濡れると反りが生じてしまい、描画し難いこともあるので、ある程度の厚みのある方が適していると言われています。

透明水彩の長所

透明水彩の魅力やメリットは、透明感のある発色を表現できることや、絵具のコントロールが比較的安易であること、パレットを使い廻しできることなどが挙げられます。

単色の透明水彩絵具の発色は、他の画材で再現することが難しいほど透明感に溢れる美しいもので、この美しさをいかにして濁さずに用いるかが、透明水彩絵具での描画の醍醐味だとも言えます。 また他の画材に比べると粘度が低い透明水彩絵具は、絵具のコントロールが行い易いため細かな描写に適していると言えるでしょう。

他の画材も薄めることで粘度を下げることは可能ですが、色が意図しない方向へ広がり易くなるので、細かな描写を行うのには透明水彩絵具が最適だと言われています。

乾燥しても水で濡らせば、元どおりに使用することができる透明水彩絵具は、使用後のパレットを洗う必要がありません。使い廻しができるのも透明水彩絵具のメリットだと言えるでしょう。

透明水彩の短所

透明水彩絵具の特徴である透明性の高さは時として、デメリットに転じるケースがあります。重ね塗りを行った場合も下地の色が透けてしまうので、塗り重ねで発色のコントロールを行う際には色の順番を考えておく必要があります。色を塗り重ねすぎると濁ってしまうケースもあります。

にじみ感やムラ、ぼかしなどの表現が可能なのが透明水彩絵具の魅力でもありますが、広い面を塗るとムラができてしまうのも、透明水彩絵具の難しさです。不透明水彩絵具であれば簡単にムラなく塗れる面でも透明水彩絵具でムラなく塗り上げるのは至難の業だと言えるでしょう。

パレットの使い廻しが効くということは、完成した作品も濡れてしまうと、台無しになってしまう可能性があることを意味します。描き上げた作品は濡れることがない環境で、保管する必要があるのをデメリットに感じる方は少なくないのかもしれません。

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