日本の奇祭⑤
鞍馬の火祭り
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鞍馬の火祭りは、京都三大奇祭の一に数えられます。
鞍馬寺境内にある由岐神社のお祭りで、京都には珍しい勇壮な祭りとされます。勇壮なのは、この祭りではとにかく火を多く使うからです。大人も子供も松明を持ち、サイレイヤ、サイリョウと掛け声をかけて練り歩きます。
狭い集落のため、見学することがやや難しいことも、奇祭の評判に輪を掛けているのでしょう。2018年は、10月22日の18時頃から開催されます。
日本の奇祭⑥
六郷の竹打ち祭り
出典:安藤食品
六郷の竹打ち祭りは、秋田県美郷町のお祭り、国の重要無形民俗文化財に指定されている「六郷のカマクラ」の一部をなすものです。
カマクラというと、横手が有名ですが、美郷町は横手の北隣にあります。重要無形民俗文化財に指定された理由は、行事本来の姿を保っており、住民の伝承意欲が高いためです。六郷のカマクラは5日間にわたって開催されますが、最終日のハイライトが竹打ち祭りで、これは南北両軍に別れた男たちが、5メートルある長い竹を手に、お互いを攻撃し合うという喧嘩祭りです。殴り合っているうちに本気になってしまうと言います。ヘルメットを着用しますが、けが人も出るとのこと。戦いは1回戦が2分の3回戦で争われ、2勝したほうが勝ちです。勝つとは、敵陣に攻め入ることを言います。ちなみに、北軍勝利の場合は豊作が、南軍勝利の場合は米価が上がると言われている縁起ものです。第3回戦の前には、祭りのもうひとつのクライマックスである「天筆焼き」がおこなわれ、戦場の中央で子供たちの書いた天筆を焼きます。焼いた天筆が高く上がると、字が上手になると言います。そして、まだ火が付いたままの状態で、竹打ち祭りの第3回戦が猛々しく行われます。六郷のカマクラは、毎年日程固定で2月11日5日間、竹打ち祭りは最終日の2月15日です。
奇祭を生んだ地元住民の熱い想い
ここまで、奇祭の数々を見てきました。祭りを主催する側は、面白いことをして観光客を集めようとしているわけではありません。
まず、地元住民の熱い思いがあり、それが盛り上がりにつながっているのです。変わったお祭りだとして楽しむのも悪いことではありませんが、地元の真剣な思いもぜひ一緒に味わいたいものです。
日本の奇祭についてもっと詳しく知りたい方にはこの本がおすすめです。