6次産業とは?
6次産業という言葉を目にしたことはあるでしょうか。1次産業・2次産業・3次産業という言葉は比較的知られていますので、そのシリーズではないかと想像されます。
といっても、4次産業や5次産業が存在するわけではありません。6次産業の6とは、1+2+3(または1×2×3)を意味します。
1次産業は農林水産業ですが、国民が生きていくための食料を生産する非常に重要な役割を果たしているにも関わらず、産業としては長期凋落傾向にあることは否めません。
ですが、1次産業である農林水産業従事者が、2次産業である食品加工業、3次産業である流通・販売に主体的に関わるならば、どうでしょう。衰退しつつある産業が輝きを取り戻せるのではないでしょうか。足し算または掛け算は、1次産業に機能を加える意味なのです。
農林水産業従事者が、消費者に直接商品を届けたり、自ら作った食材を活かしたレストランを経営したりするなどの例が挙げられます。
6次産業の成功例として、花畑牧場などが有名です。
6次産業はなぜ始まったのか
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6次産業は、1次産業を生まれ変わらせる発想です。スケールメリットを活かして大型化する2次産業・3次産業と違い、1次産業にはいまだに零細事業者が多く存在します。
零細事業者は、設備を更新することも難しく、当然ながら生産性を向上させることが困難となります。そうしますと、従事者の所得も減っていくしかなく、1次産業主体の地方はどんどん衰退していきます。
若い人を受け入れる力が産業にないので、この人たちは都会に出て2次産業・3次産業に従事します。地方では、残されたお年寄りだけが細々と効率の悪い生産に従事することになります。
こういった、日本全国で見られる衰退した状況を、6次産業化で変えられるかもしれません。自分たちですべてを管理することで、加工や流通の中間コストを抜き、地方のよい食材等が安く都会の消費者に届けられることになります。
6次産業のメリット
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6次産業化のメリットは計り知れません。2次産業・3次産業が得ていた付加価値を、1次産業従事者が直接得られることになります。これにより、1次産業従事者の収入も上がり、地方も活気づき、地方創生につながります。
6次産業化において、必ずしも2次産業・3次産業を排斥する必要はなく、要は1次産業従事者が主体性を持って、彼らを使いこなせればいいのです。
6次産業のデメリット
もっとも、6次産業化が常にうまくいくとは限りません。2次産業・3次産業は、それぞれ独自のスケールメリットを活かして、大量生産、大量販売をすることで、国民の生活に貢献しています。それぞれの産業が最大限の特性を発揮するのが本来の姿であって、1次産業も、一緒に大きくなっていくべきだったのです。
大陸で行われている大規模な農業を思い起こせばわかることでしょう。1次産業が従来のスケールにとどまっていることで、2次産業・3次産業にいいように使われているという現実があったとしても、それは1次産業自体の問題も大きなものです。。
1次産業も、スケールメリットを追求しないと、加工や流通のプロを抜いていきなり消費者の元に商品を届けられはしません。
衛生面や宣伝にも課題は山積みです。さらに、もっと重要なことは、1次産業において作られる食材等の質です。質が良ければブランド力も生まれますが、質の悪いものをたくさん作っても売れません。農業の実例を観ますと、質の向上に懸命でよい商品を作ろうとしている生産者は無数にいるものの、平等を強く求める農協はこれにまったく協力してくれません。
農村をよみがえらせる6次産業を、農協が阻害することも珍しくはないのです。
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