丹沢・大山周辺には丹沢大山国定公園が広がっており、代表的な大山は美しい三角形の山容で、古代から関東一円では霊験あらたかな霊山として、さまざまな人々から信仰を集めてきました。
神奈川県有数の観光地としても知られ、日本三百名山や関東百名山にも数えられるほか、「かながわの景勝50」に選定された山頂からの眺めは相模平野や江ノ島、三浦半島、房総半島、さらには東京都心の高層ビル群まで見渡すことができます。
大山への登山ルートは大山ケーブルとヤビツ峠の2つがあり、大山ケーブルを使うルートが一般的です。 大山ケーブルは、大山寺駅を経由して大山ケーブル駅と終点の阿夫利神社駅を結ぶケーブルカーで、ここから山頂までは約1時間10分ほどです。また、ケーブルカーを使わない場合は山頂まで約2時間10分ほどとなっています。
最寄りの伊勢原駅からは、バス停「大山ケーブル」までは約30分で、ここから大山寺駅は「こま参道」を徒歩で約15分の道のりです。 電車利用の場合は、伊勢原駅まで新宿駅から小田急線で約60分、小田原駅なら約30分となっています。
また、車の場合は大山ケーブル駅周辺の市営駐車場を利用し、東名厚木インターから国道246号経由で約40分、東名秦野中井インターからも国道246号経由で約40分となっています。
丹沢・大山のおすすめ観光地①
ユーシン渓谷
丹沢大山国定公園内にある渓谷、「ユーシン渓谷」は「丹沢の秘境」とも、いわれています。「玄倉第二発電所」から眺められるダム湖は青い水をたたえ「ユーシンブルー」と呼ばれ注目を集めています。
なぜ青く見えるかについては諸説ありますが、天候としては、晴天の日や、雨が降り続いた後でないことが「ユーシンブルー」を見られる条件といわれています。 特に紅葉シーズンの月中旬から下旬は、赤く色づいた葉と青いダム湖とのコントラストが美しく、SNSなどでも話題となっています。
ユーシン渓谷へは、小田急線・新松田駅から富士急湘南バスの「西丹沢・山北エリア」行きに乗車し、最寄りのバス停「玄倉」で下車するか、車の場合は、東名高速道路経由で丹沢湖玄倉大橋付近のユーシン渓谷無料駐車場を利用し、徒歩で約1時間50分程の道のりとなります。
丹沢・大山のおすすめ観光地②
大山阿夫利神社
photo by Richard, enjoy my life!
「大山阿夫利神社」は、大山ケーブルの終点ともなっている下社と、頂上の本社があります。 創建は紀元前97年崇神天皇の頃と伝えられていて、大山神(おおやまずみのかみ)、と雷神(いかづちのかみ)、高おかみを祭神としており、海人たちの守り神である、鳥石楠船神(とりいわくすぶねのかみ)を合祀しています。
大山は雨が多く、山頂近くの木々に1年中水が滴っていることから別名「雨降山」とも呼ばれ、古代から雨乞いの霊山として信仰されてきました。
頂上の本社からは縄文土器が発見されていて、その歴史の深さを物語っています。 四季折々に彩られるこの大山とともに、伝統と文化を継承し続け、現在ではパワースポットとしても注目され、参拝する人が絶えません。
丹沢・大山のおすすめ観光地③
大山寺
photo by 克年 三沢
「大山寺」は真言宗大覚寺派の寺院で、755年、奈良の東大寺を開いた良弁僧正によって開山されたと伝えられています。本尊は鉄(造)不動明王(くろがねふどうみょうおう)で、通称大山不動と呼ばれ、関東三大不動のひとつに数えられます。
また、関東三十六不動第1番、関東八十八ヵ所第60番、小田急沿線武相三十三観音霊場特別3番の札所でもあります。 大山は丹沢山系の中心道場として各地に知られ、霊山として栄えましたが、明治初年の廃仏毀釈によって、現在、阿夫利神社下社のある場所から現在の場所に移りました。
それでも、本尊をはじめとした寺宝は破壊を免れ、多くの信者の寄進によって本堂をはじめ伽藍が再興されました。 現在もケーブルカーの途中駅があり、多くの登山客や観光客で大変にぎわっています。