東京・深川地区の郷土料理といえば、やっぱり「深川めし」。アオヤギ、ハマグリ、カキなど新鮮な貝類が豊富にとれる深川で、おいしくて栄養価の高い食事として、庶民に愛されてきたという歴史があります。
貝類と野菜をさっと煮込むだけなので調理時間もかからず、誰でも簡単に作ることができるんですよ。今回は、深川めしを自宅でおいしく作るためのアレンジレシピをご紹介します。
東京・深川地区の郷土料理「深川めし」ってどんなもの?
深川めしとは、アサリなどの貝類と野菜を煮込み、ごはんに汁ごとかけた豪快な丼ぶりのこと。かつて漁師町であったこの場所で、漁師たちが仕事の合間に食べていたまかない飯がこの郷土料理のルーツといわれています。
現在では、炊き込みごはんタイプの深川めしも主流になりました。また、深川エリアの各飲食店がオリジナルの深川めしを提供するようになり、そのバリエーションはさらに幅広いものとなっています。
「深川めし」の特製レシピをご紹介!
〔材料(作りやすい分量)〕
ごはん 茶碗2杯分
アサリ 200g(殻つき)
油揚げ 1/2枚
ネギ 1/2本
卵 1個
出汁(昆布)3カップ
味噌 大さじ1
醤油 大さじ1/2
みりん 小さじ2
〔トッピング〕
刻みのり 適量
山椒、七味唐辛子など 適量
下ごしらえのポイント
アサリをふっくらと仕上げるためには、鍋に入れてからあまり煮すぎないことが重要です。まずはフライパンに砂抜き済みのアサリと酒(少々・分量外)を入れて、フタをして火を通します。
貝殻が開いたらアサリを取り出し、身を殻から外したら下ごしらえ完了。旨みがつまった煮汁も後で使うので、とっておきます。
〔作り方〕
1.鍋に出汁を入れて沸騰させ、油揚げとネギを加えてひと煮立ちさせる。
2.味噌を醤油とみりんで溶かし、アサリの身、煮汁とともに加える。
3.溶き卵を流しこみ、半熟状になるよう手早く混ぜる。
4.ごはんをよそった器に、汁ごと盛りつけて完成。刻みのりや好みの薬味をトッピングする。
深川めしにおすすめの食材
貝類は、アサリ以外にもアオヤギ、ハマグリなど好きなものを使ってOK。もともとの深川めしは、アサリではなくアオヤギを使っていたそう。また、合わせる具材がネギだけだと物足りない…という方のために、油揚げや卵を加えてボリュームとコクを出しています。
薬味でワンランク上のおいしさに
味噌や醤油ベースで仕上げる深川めしには、和山椒や七味唐辛子などのピリッとした辛味がぴったり。専門店ならではの香り高いスパイスを取り入れるだけで、料理のおいしさがワンランクアップします。
粋な下町グルメで健康に
アサリなどの貝類には、肝機能のはたらきを高めて代謝を促進するタウリンやミネラル、亜鉛、疲労回復を助ける鉄分が含まれています。二日酔いにも効果があるので、飲みすぎた翌日にさらっといただくのがおすすめ。また、ネギは身体をあたためてくれるので、寒くなるこれからの季節にもぴったりですね。下町発祥の名物グルメ、ぜひ一度味わってみてはいかが?
文・写真/ゆさ みずあ